研究課題/領域番号 |
02670803
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉本 朋貞 岡山大学, 歯学部, 教授 (50135729)
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研究分担者 |
山合 友一朗 岡山大学, 歯学部, 助手 (00158057)
市川 博之 岡山大学, 歯学部, 助教授 (20193435)
井上 勝博 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (70018422)
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キーワード | 歯髄 / 歯根膜 / 1次ニューロン / 三叉神経 / 吻側亜核 / シナプス / シナプス小胞 / 微細構造 |
研究概要 |
1.猫歯髄支配1次ニューロン中枢内終末の微細構造 (1)猫下顎犬歯歯髄に刺激電極を挿入し、脳幹進入直後の三叉神経根にHRP溶液を充填した記録電極を刺入し歯髄に電気刺激に反応する1次ニューロンの軸索内にHRPを注入した。吻側亜核の背内側亜核内でHRP標識された軸索終末の構造を電顕的に観察した。 (2)この1次ニューロンは歯髄電気刺激にのみ1.7msの潜時で応答し、歯、口腔粘膜及び皮膚には機械的受容野を持たなかった。 (3)終末直前まで軸索は髄鞘の被服を受けており、終末には直径約50nmの球形の小胞を含んでいた。終末は樹状突起に対してシナプス前、多形性小胞を含む軸索終末に対してシナプス後の位置関係を示し、triadの形成は稀にしかみられなかった。 2.猫歯根膜支配1次ニューロン中枢終末の微細構造 (1)猫下顎第1小臼歯の機械的刺激に反応する1次求心ニューロンの軸索内にHRPを注入し、吻側亜核の吻側背内側亜核(Vo.r)と背内側亜核(Vo.dm)内で標識された軸索終末構造を電顕的に観察した。 (2)この1次ニューロンは歯の軽い機械的刺激に対し速順応性に反応し、小臼歯レベルの下歯槽神経の電気刺激に対して0.6msの潜時で応答した。 (3)終末は直径約50nmの球形の小胞を含み、歯髄と同様のシナプス回路を形成した。しかし1個の終末が樹状突起及び多形性小胞を含む終末と同時にシナプスを形成するものはVo.dmに多く(28%)、Vo.rに少なかった(8.3%)。従ってVo.rではTriadは稀であった。
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