研究課題/領域番号 |
02670814
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
瀬川 彰久 北里大学, 医学部, 講師 (50154638)
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研究分担者 |
寺川 進 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所・機能協関部門, 助教授 (50014246)
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キーワード | 共焦点レ-ザ-顕微鏡 / ビデオミクロスコピ- / 開口分泌 / 唾液腺 / エンドサイト-シス / 細胞生物学 |
研究概要 |
本年度は、これまで開口分泌の詳細がよく研究されている耳下腺と顎下腺を材料に、イソプロテレノ-ルによる分泌刺激を行ない、従来の形態学・生理学・生化学的知見と対比した。研究はおおむね順調に進行し、当初予定した項目はすべて解析することができた。 I.Videoーenhanced microscopyによる観察:本研究は生理学研究所の寺川進助教授と共同でおこなった。細胞を微分干渉顕微鏡下で観察し、画像処理装置を用いてreal timeで画質を改善し、高解像度で開口分泌の緒過程を観察し、ビデオテ-プに記録した。その結果、1)開口分泌にともなって分泌顆粒の動きはほとんど認められない、2)膜融合の瞬間に分泌顆粒のlight intensityが急激に変化すること、の二点が明らかになった。 II.レ-ザ-顕微鏡による観察:分泌刺激と同時に培養液に螢光色素を加え、レ-ザ-顕微鏡で観察した。開口分泌した分泌顆粒には螢光色素がはいるため、融合した分泌顆粒膜の外形が明瞭に観察できた。この方法により、1)膜融合した分泌顆粒は、その丸い形をしばらくの間保持しており、その間に内容物は拡散により細胞外に放出する、2)融合した分泌顆粒膜は大きく拡大せず、その消失過程においてもエンドサイト-シスはほとんど検知しえないこと、などを見い出した。 以上の研究にあたり、ビデオプリンタ-とビデオ編集機を購入し、消耗品関係の購入も予定どおり進めた。なお当初計画の遂行中にコンピュ-タグラフィック技術が開発され、レ-ザ-顕微鏡画像からの三次元像再構築が可能になった。そこで平成三年度の計画にこの項目を追分し、特に細胞骨格について重点的に研究を進めることにした。
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