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1990 年度 実績報告書

歯周組織の治癒過程における上皮性付着と結合織性付着の相関

研究課題

研究課題/領域番号 02670815
研究機関東京歯科大学

研究代表者

下野 正基  東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00085771)

キーワード歯周組織 / 治癒過程 / 上皮性付着 / 結合織性付着 / 長い付着上皮 / ラミニン / フィブロネクチン
研究概要

SpragueーDawley系雄ラットの上顎第1および第2臼歯の歯間に矯正用ゴム(1×1×0.65mm)を挿入し、高sucrose飼料を与えることによって1週目には明らかな歯周炎を惷起することができた。1週目にゴムを除去し、露出根面を改造スケ-ラ-にてル-トプレ-ニングを施し、処置後1週間から3か月にわたって経時的に潅流固定を行ない、歯周組織の治癒過程について、光顕ならびに電顕的に検索し、以下に述べるような結果を得た。1)上皮性付着に関与する細胞はいわゆる長い付着上皮で、光顕的には正常の付着上皮に類似の形態を示し、2〜3層の細胞から成り、根面の広い部分を被覆していた。2)長い付着上皮は歯根表面とラミニン陽性を示す基底板および半接着班によって結合しており、細胞間隙は広く拡大しているものの、好中球は存在せず、歯根表面における細胞の配列が不連続で、上皮下結織には毛細血管が欠如していた。3)結合織性付着の部分には光顕的にも電顕的にも明らかなシャ-ピ-線維がセメント質中に埋入され、線維細胞も歯根表面に対し垂直に配列していた。しかし、長い付着上皮直下の、上皮性付着と結合織性付着の移行部は、コラ-ゲン線維および線維芽細胞の配列が不規則で、明瞭なシャ-ピ-線維は観察されなかった。これら結合織性付着の部分はラミニン陰性でフィブロネクチン陽性反応を示した。特にフィブロネクチンは歯根膜線維芽細胞間の基質分に陽性を示した。4)ゴム除去後3週では、歯根約1/2を越える部分まで上皮性付着がみられたのに対し、除去後12週では歯根の約1/4が上皮によって被覆されていた。このことは、上皮性付着が結合織性付着によって置換された可能性も示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] SHIMONO Masaki: "Vacuoles and vesicles in the rat junctional epithelium.A study using serial ultrathin sections." J.Periodont.Res.26. 85-90 (1991)

  • [文献書誌] ABIKO Yoshihiro: "An ultrastructural study of pocket epithelium in rats." Bull.Tokyo Dent.Coll.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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