研究課題/領域番号 |
02670821
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50001962)
|
研究分担者 |
加藤 煕 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
池田 健 愛知学院大学, 歯学部, 講師
尾関 正美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80090124)
小佐野 悦雄 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80110998)
日比 栄子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50097606)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | 歯周病原性細菌 / 表層蛋白質 / 遺伝子 / クロ-ニング / ポルフィロモナス・ジンジバリス / 75K蛋白質 |
研究概要 |
歯周病原性菌として最も疑われている細菌Porphyromonas(Bacteroides)gingivalisの最表層にある蛋白質は、ホストの免疫応答、あるいは病気の発症に強く関連していると予想される。なぜなら、菌の表層に存在することから、真先にホストに認識されると考えられるからである。申請者らは、本菌の表層にある抗原性の強い主要蛋白質の一つである75K蛋白質(実際には200万の複合体を形成)を精製し、この蛋白質のより深い研究と臨床応用のために構造遺伝子のクロ-ン化を行なうことを目的とした。初年度、本蛋白質遺伝子を含むと考えられるBam HI DNA断片をpUCプラスミッドにクロ-ク化し、次年度はこのDNA断片の制限酵素マップを作成した。さらにクロ-ン化に使ったプロ-ブの結合位置、すなわちN末端部位が、上記のマップのどの領域に存在するのかを決定した。これにより、少なくとも遺伝子の大部分はこのDNA断片上にあることが判明した。さらに得られたリコンビナントの遺伝子産物を抗体でスクリ-ニングし、遺伝子の全域が含まれているのか否かを検討した。しかし上記のpUCプラスミッドで作製したリコンビナントからは、特異抗体で探索しても、いかなる遺伝子産物も検出できなかった。そこで、より強力な発現ベクタ-につなぎ換えて、再度同様な検討を行なったところ、75K蛋白質より少し大きな77Kの分子量を持った蛋白質が検出された。これにより、遺伝子の全領域がこのクロ-ン化されたDNA断片上に存在する可能性が一段と高くなった。今後、構造遺伝子の全域とその上流のプロモ-タ-領域の塩基配列の決定を行い、本蛋白質の一次構造とその発現調節についての情報を得るべく研究を進める予定である。この研究の課程で、本菌の病原因子のクロ-ン化の一つの方法論が確立したと考えている。本菌の場合、遺伝子産物の同定には、特別な発想ベクタ-を用いる事が必須である事も分かった。
|