研究課題/領域番号 |
02670838
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
半場 道子 昭和大学, 歯学部・口腔生理学, 講師 (40119251)
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研究分担者 |
久光 久 昭和大学, 歯学部・歯科保存学, 教授 (30092430)
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キーワード | lateral hypothalamus / tooth pulp / projection / pain / Periaquaeductal gray / feeding center / trigeminal afferents |
研究概要 |
本研究は歯の痛み感覚が食欲の中枢・視床下部外側野(LHA)におよぼす影響を、ratを用いてneuron levelで明らかにすることを目的とした。 これまでの研究によって明らかになった結果は次の通りである。 (1)視床下部外側野(LHA)について電気生理学的実験により、三叉神経領域から痛覚性投射を受けるneuronはLHAの尾側より側方部の狭い部位に限局して多く見られ、吻側部には三叉神経領域からの投射は見られなかった。また、これらのneuronは、脊髄からも痛覚性入力をうけておりconvergenceが見られた。 (2)検索した220個中46個のLHA neuronは対側歯髄刺激に対して平均潜時17.2msのspikeを誘発したが、非侵害刺激に対してはほとんど応答せず、glucoseに対して感受性を示さなかった。この事から、三叉神経領域から痛覚性投射を受けるneuronは、摂食行動そのものに直接関係するものではないことが推測された。 (3)歯髄刺激に応答するLHA部位へHRP色素を注入することにより、多数の逆行性標識neuronを同側の中脳中心灰白質 腹側部および隣接する網様体にみとめた。このことから、歯髄から摂食中枢への痛覚性投射は、直接的なものではなく、中脳中心灰白質を経由するものとかんがえられる。 次に今後の課題として、以下の事柄を検討する予定である。 1痛み刺激に対するLHA neuronの応答は、脳のどこの部位を刺激すると抑制されるか、また抑制される脳のllevelはどこかを検討する。薬物を投与して痛み情報の求心路における遮断効果を調べる。
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