• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

S.mutansホスホトランスフェラ-ゼscrEnzII転写レベルの調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 02670839
研究機関東京歯科大学

研究代表者

佐藤 裕  東京歯科大学, 生化学講座, 助教授 (70085827)

キーワードS.mutans / PTS EnzymeII / 糖輸送 / 遺伝子発現 / 分子生物学
研究概要

S.mutansのスクロ-ス輸送系の一つであるホスホエノ-ルピルビン酸依存ホスホトランスフェラ-ゼ系(PTS)スクロ-スエンザイムII(EII)の遺伝子(scrA)発現調節機構解明のため、私はscrA遺伝子と大腸菌由来のβーガラクトシダ-ゼ遺伝子(lacZ)との融合遺伝子を作製し、更にscrA遺伝子の転写活性が容易に検出できるようなS.mutansの変異株を作製して、スクロ-スをはじめ、種々の糖で培養後scrA発現を調ベた。これによればscrA発現は、明らかに転写、翻訳レベルでスクロ-スにより誘導されることを確認した。又scrA及び各々の下流に存在するdas,及びds1,ds2のいずれかがscrAの転写制御にかかわる調節遺伝子ではないかという推察からdsa,ds1,ds2のいずれかもしくは二者を失活させたscrA::lacZ二重変異株を作製し、それらの失活によるscrA::lacZ発現に与える影響から、いずれかscrAの調節遺伝子であるかを明らにしようと企画した。しかしdsa,ds1,ds2いずれの失活二重変異株においても、フルクト-ス、マルト-ス、ラクト-スとともに培養したときのscrA発現はスクロ-ス培養時のそれと比較すると著しく低く、いずれもscrAは依然としてrepressされていると考えられ、dsa、ds1、ds2いずれもscrAのリプレッサ-は考えにくい結果となった。一方scrA::lacZ変異株における誘導実験をより詳細に調べた結果、scrA発現はグルコ-ス、フルクト-ズ、マルト-ズが共存するとスクロ-スが存在するにも係わらずscrA発現は誘導されなかったが、ラクト-ス、ソルビト-ル共存下ではscrA発現は誘導された。しかも、極めて興味深い点は、スクロ-スで育った場合、上述の如くラクト-ス、スクロ-ス共存下でscrA発現が誘導されたが、クラト-スで育った場合、全く同じ条件下でscrA発現は誘導されなかった。即ち、scrAの発現は他の糖輸送と密接に関連して調節されていると推察され、特にラクト-ス輸送系の調節のメカニズムにはscrA発現のメカニズムを解く鍵があると思われるに至っている。そこで今後は、ラクト-ズEIIをクロ-ニグし、そのscrA発現に対する影響のメカニズムを明らかにしたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sato,Y.: "Construction of scrA::lacZ gene fusions to investigate regulation of the sucrose PTS of Streptococcus mutans." FEMS Microbiol.Let.

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi