複合レジンにデキストラナ-ゼを結合させるために、ウッドワ-ド試薬Kを利用してカルボキシル基を含む担体とデキストラナ-ゼ中の遊離のアミノ基との間に直接ペプチド結合を形成させる方法で、デキストラナ-ゼを担体のレジンに固定化した。デキストラナ-ゼ固定化レジンをデキストラン溶液に浸漬し、デキストランが分解してできた還元糖の量からレジンに固定化されたデキストラナ-ゼの活性を計算した。 担体となるレジンは、BisーGMAとTEGDMAが重量化で3:1のレジンにポリアクリル酸を混和し、BPOを0.5%添加して、脱気後60℃にて24時間、100℃にて4時間加熱して重合させた。直径16mm厚さ1mmの円板型試料を作成した。円板型試料1枚にウッドワ-ド試薬Kを加えて、pH6.0のカリウム・リン酸緩衝液(KPB)中にて、4℃にて1時間攪はんし、デキストラナ-ゼを加えて24時間攪はんした。デキストランT500をKPBに溶解し2%デキストラン溶液を調製した。円板型試料を1度KPBにて洗浄後、デキストラン溶液中に浸漬し、37℃にて30分振とうした。DNS試薬法にてデキストラン溶液中の還元糖の定量を行った。試料に固定化されたデキストラナ-ゼの活性を算出した。 担体のレジンのカルボキシル基の量の影響を調べるために、円板型試料中のポリアクリル酸の含有量を10、17、25%と変えてみたが、結合したデキストラナ-ゼの活性には有意差はなかった。加えるデキストラナ-ゼの量を5、20、25、50、75、100unitとして、固定化に必要なデキストラナ-ゼの量を調べた。円板型試料のデキストラナ-ゼ活性は、加えるデキストラナ-ゼの量と共に増加したが一定量以上では増加率は減少した。デキストラン溶液をpH3、5、6、7、9として、pHの影響を調べた。円板型試料のデキストラナ-ゼ活性は、遊離のデキストラナ-ゼの活性と同様にpH6で最大であった。
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