研究概要 |
BisーGMA,TEGDMA,ポリアクリル酸が10:5:3となるように混和し,BPOを0.5%添加して脱気後24時間60℃,4時間100℃で加熱重合して作製した直径10mm,厚さ1mmの円板型試料を担体として,pH6のKPB10ml中でウッドワ-ク試薬Kを40mg1時間作用させ,デキストラナ-ゼを40unit加えて24時間反応させることにより,デキストラナ-ゼを結合させた。試料1枚当たり約0.11unit相当のデキストラナ-ゼ活性があった。 デキストラナ-ゼ結合試料,デキストラナ-ゼ非結合試料,ユニファスト,フジアイオノマ-タイプII,フォトクリアフィルブライト,シラックスプラス,パルフィ-クエステライトの7種類の試料表面でGTase,[ ^<14>C]ーSucroseを反応させて,液体シンチレ-ション法により ^<14>Cの放射能を測定して,試料表面での不溶性グルカン合成量を求めた。不溶性グルカン合成量は即時重合型レジンのユニファストが一番多かった。次いでデキストラナ-ゼ非結合試料,充填用グラスアイオノマ-セメントのフジアイオノマ-タイプIIの順であった。その次が光重合型コンポジットレジンのフォトクリアフィルブライト,シラックスプラスパルフィ-クエステライトの3種類でほとんど同量であった。デキストラナ-ゼ結合試料はそれらと比較して非常に少なかった。デキストラナ-ゼ結合試料のデキストラナ-ゼ非結合試料に対する抑制率が約30%であることから,結合したデキストラナ-ゼによる不溶性グルカンの合成と付着の抑制が認められた。 走査電子顕微鏡で直接倍率40倍にて菌体の付着状態を観察したものから,デキストラナ-ゼ非結合試料と比較してデキストラナ-ゼ結合試料では菌体の凝集能が低下し付着が減少しているのが認められた。デキストラナ-ゼによるグルカンの付着抑制に起因して菌体の付着も抑制されていることが示された。
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