研究概要 |
診療還境においける浮遊粉麈の発現状況を分析するため、空調設備が比較的不備な東京歯科大学水道橋病院(旧)空気清浄機能が整っている同千葉病院についてβ線式質量濃度計を用いて浮遊粉麈の濃度測定を行い、診療時間中の平均1時間値は旧水道橋病院が0.078mg/m|-^<3-|>であり、千葉病院が0.016mg/m|-^<3-|>で、いずれも労働省のビル管理基準値(0.150mg/m|-^<3-|>)以下であったが、空調設備によって診療室の浮遊粉麈濃度はかなり差を生ずることが明らかにされた。このよにな中で、歯科診療に携わる術者は診療に伴なう種々な粉麈,特に歯牙切削時に発生する切削粉麈,または修復物や補綴物の除去時や研麿時に発生する金属やレジン等の粉麈に少なからず曝露されていることが予則され、これらの吸入性粉麈に対する個人曝露について、延ベ30人の歯科医師による詳細な分析と検討を個人サンプラ-とXMAを用いて行った。その結果、切削位置から約25cm上方の術者の口元付近に装置した個人サンプラ-に補集されたフィルタ-には、XMAによる面分析,線分析,元素分析の結果,不定型の5〜10μm前後の切削粉麈が多数飛散分存在していることが伴明し、その内容物は歯牙切削片(Ca,P)および金属切削片(Pd,Ag,Au),その他(Al,Si,Cl,Fe等)の元素であることを解認した。また,そのフィルタ-に採集された吸入性粉麈を労研濾紙粉麈計を用いて、分析した結果、今回り診療に伴う歯科医師個人曝露量は,寺均1時間値0.092mg/m|-^<3-|>であることが伴明した。
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