研究課題/領域番号 |
02670881
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助手 (60076057)
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研究分担者 |
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
後藤 隆泰 朝日大学, 歯学部, 講師 (30121320)
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 助教授 (40116067)
森脇 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (90028738)
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キーワード | アパタイト / 焼結 / 焼結助剤 / 電子スピン共鳴法 / 複合化 / カ-ボネイト / 溶解性 |
研究概要 |
ハイドロキシアパタイト(HAp)の焼結挙動をアパタイト中に不純物として含まれる微量のMn^<2+>をマ-カ-にしてESR(電子スピン共鳴法)での解明を試みた。焼結助剤であるLi_3PO_4を添加したアパタイトの場合には、アパタイトに比べ、約200℃低い温度でESRによるMn^<2+>シグナルが発現し、この発現する温度は熱分析法で測定した焼結が開始する温度と一致することがわかった。このことにより、アパタイトに限らずセラミックスの焼結挙動は、ESRを使用すれば原子の動きを直接的に追跡することができ、ESRで測定されたデ-タから、焼結のメカニズムを解明できる可能性があることがわかった。 アパタイト焼結体のX線回折分析では、焼結温度を上昇させた場合、アパタイトでは大きな相変化は認められなかったが、焼結助剤であるLi_3PO_4を添加させた場合には、アパタイトの分解によってβー第三リン酸カルシウムが出現しやすくなることがわかった。 アパタイトおよびLi_3PO_4を添加したアパタイトの乳酸に対する溶解性は、Li_3PO_4を添加した場合にはかなり向上することがわかった。 平成3年度には、現在も検討中であるが、アパタイトの焼結温度の低下には焼結助剤だけでなく、合成時のカ-ボネイトの含有量がかなり関与するため、アパタイトの物性を損なわない最適な焼結条件を見いだすとともに、複合化によって、物性の向上を目指す。
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