研究概要 |
我々は昭和63年5月以来,CTスキャナに組み込まれたソフト(CTDー01B)を中心に顎口腔領域疾患の3次元画像システムを講成し,臨床例の観察を行って来たが,2年間の使用経験から3次元処理の過程に2〜3の問題点を見出すにいたった. 特に,顎関節撮影補助装置における使用手順煩雑と被写体固定の不良が,3次元画像の歪みを来たしやすいこと,並びに3次元画像ソフトにおける一部不要な処理過程が,画像再構成時間を浪費していることが問題となって来た. そこで今年度は,上記システムのうち,顎関節撮影補助装置の一部改良を試みた. 改良前すでに、代用骨ブロックを被写体として,微細な骨組織の3次元描出限界,および病巣の体積を最も忠実に再現する処理条件を探索していたが,改良されたシステムでは処理条件の再度検室により,画像の描出能力向上が確認された。 これにより顎関節部硬組織でも3次元画像構成が有効に行われることを知り,数名のボランティアを用いて,健常顎関節部の所見を得ることが出来た。 さらに臨床症例として,顎骨々折特に顎関節部骨折症例の3次元画像観察を行った結果,単純撮影やCTスキャン像でも把握し切れない顔面頭蓋深部の骨折線走行や,関節突起の複雑な破折状態を観察することが出来た。
|