• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

乳臼歯の歯質の厚さを考慮した窩洞形態の新考案ー修復後のトラブルを防止するためにー

研究課題

研究課題/領域番号 02670926
研究機関岩手医科大学

研究代表者

野坂 久美子  岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80048363)

キーワード乳臼歯の窩洞形態 / 乳臼歯の歯質の厚さ / 窩底下歯質の厚さ
研究概要

修復後、種々のトラブル発生の多い乳臼歯について、従来の窩洞形態を再検討した。研究方法は、抜去乳臼歯を用い、咬合面では中央窩でエナメル質表面から1.5mmの深さ、側室では歯肉壁の幅が1.0mmになるような2級窩洞を形成した。それぞれの歯をレジン包埋後、93μmの連続切片に作成し、それらを10倍に拡大トレ-ス後、パ-ソナルコンピュ-タ-で再構築した。それを用いて、すでに撮影しておいた窩洞形態の10培の陽画から、頬舌、近遠心の両方向から任意の部位の断面を抽出し、それらの断面上で、窩底と髄室との最小距離を測定した。
結果 1.Dで最小距離を示したのは、窩洞の近心側の頬側寄り窩底下で、わずか0.4mmであった。また、頬側寄りの窩底下歯質は、中央や遠心側でも、0.5ー0.6mmで薄かった。それに比し、舌側寄りでは、舌側咬頭頂内側の窩底下で0.6mmであったが、他の部位は0.8ー1.0mmであった。2.Dにおいて、窩底下の最小距離を示した部位は、近心頬側咬頭頂内側の窩底下で、0.5mmであった。また、他の頬側寄りの窩底下歯質の厚さは、0.7ー0.9mmで舌側寄りの窩底下の歯質の厚さ、0.8mmー1.2mmよりも薄かった。3.Eにおいても、近心頬側咬頭頂内側の窩底下の歯質が最も薄く、0.6mmであった。他の部位はいずれも0.7ー1.8mmであるが、舌側よりも、頬側の方が薄かった。4.Eでは、近心頬、舌側咬頭頂の内側窩底下で最も薄く、0.5mmであった。また、他の乳臼歯と異なり、遠心側では、舌側の方が頬側よりも窩底下の歯質は薄く、0.7mmであった。
乳臼歯の従来の窩洞の窩底下歯質の最薄厚径は0.5mm以下であった。また、側室では、D,Eそれぞれの近心頬側軸側歯肉側点角で薄かった(0.6mm)。以上の結果から、理想とする窩底下歯質の厚さ(1mm前後)を得るには、乳臼歯の種々の特徴を考慮した窩洞形成法が必要と考えられた。

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi