研究概要 |
AsuorbicAcidは、霊長類において必須のビタミンであり、結合組織の形成に重要な役割を果たしているが、歯周組織への効果は不明な点が多い。そこで,ヒト乳歯および永久歯歯根膜培養線維芽細胞(HPLFーY,HPLF)におけるLーAscorbicーAcid(AsA)、LーAscorbicacidー2phosphute(ASAーP)の細胞増殖分化,細胞接着,伸展性について平成2年度科学研究実績報告において報告した。そこで我々は,今回,細胞接着因子の分離,さらに,各溶出分画における細胞接着,伸展活性について比較検討を行った。 斉藤らの方法により、migrateしたHPLFーY,HPLFを培養し,DーMEM中にASAおよびASAーPを50mg/nlの濃度に調整し、2日毎の培地交換時に添加した。培養7日目にserunーfree培地と交換後,confluent Cellsのconーditionel mediwm(cu)を採取し、PDー10カラムにて脱塩後,凍結乾燥を行ないGPCカラム(Poー60k)により分離した。さらに,各溶出分画における細胞接着,伸展因子についてDNA量を測定することにより解析した。その結果,HPLFーY,HPLFのCM中の細胞接着因子をGPCカラム(POー60K)によりHPLCを用いて分離した溶出パタ-ンは、分画I〜Vの5分画となった。また溶出パタ-ンから明らかにHPLFーY,とHPLFで異っており,さらにコントロ-ルと比較して、ASAとASAーP添加によりHPLFーYがより異なる結果となった。従って,細胞外成分のゲルクロマトグラフィ-の結果からもコラ-ゲン分成ばかりでなく比較的低分子の蛋白質にもASAとASAーPが,細胞接着と伸展活性に影響を与えるものと考えられる。また,HPLFーY,HPLFに対する効果は、ACAとASAーPで共通する分子と異なる物質が示唆されたので,これらの物質の分離,同定が歯周組織および歯胚の発育の細胞生化学的な機能を知る上で重要と思われた。
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