研究課題/領域番号 |
02670933
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
北村 中也 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064341)
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研究分担者 |
関根 透 鶴見大学, 教養部, 教授 (40097316)
佐野 祥平 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80162519)
松平 文朗 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10014135)
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キーワード | 歯科医師 / 歯科学生 / 医の倫理観 / 社会的責任 / 調査票 / 意識調査 |
研究概要 |
最近の歯科医療技術の進歩は著しく、社会環境も大きく変化していることから、歯科医師と歯科学生の抱く医の倫理観と社会的責任についての意識調査を行った。調査票はそれぞれ作製し、対比させるために質問項目を考慮した。本研究に協力が得られたのは国立校3校,私立校4校の1579名の歯科学生と1163名の歯科医師であったが、今回はそのうち、一某歯科大学在学生と同校を卒業した歯科医師を対象とした。回収された調査票は、歯科学生665名(回収率74.7%)と歯科医師446名(回収率56.6%)であり、両者を質問項目について比較検討した。 歯科学生の理想的な歯科医師の倫理観は「患者に対する親切心」で80%以上を占めたが、歯科医師も「患者に対して親切に接する」が93.8%を占めた。社会的責任については、歯科学生は「患者の身になっての診療」が59.4%と最も多く、歯科医師も「患者の身になって診療を行う」が51%で最多を示した。両者とも常に患者のことを中心に心掛けて診療すべきだとしている。診療における医の倫理観の実践状況は「充分されている」が35.6%,「不充分」44.4%と歯科学生は答えたが、歯科医師には、社会的習慣、自分の道徳感や宗教などから医の倫理を考えてもらった。「重視する」が多くみられ50%前後を占めたが、宗教的信条による医の倫理観はあまり関係していないという結果が得られた。 医の倫理に関する読書の有無は、歯科学生は87.7%が読んだことがあると回答したのに、歯科医師は「たまに読んでいる」が53%で日常の多忙さがあるのではないかと推察した。歯科学生の医の倫理に関する聴講は「倫理学」が54.1%で最も高率を占め、1年生で聴講したが68.6%と最多を示した。歯科医師は、大学で医の倫理を教えるのは91%が「必要である」といゝ、「特定の科目でなくどの科目でも」が57.7%と最多を示した。差異がみられたが、カリキュラムの実状によると推察した。
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