研究課題/領域番号 |
02670933
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
北村 中也 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064341)
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研究分担者 |
関根 透 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40097316)
佐野 祥平 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80162519)
松平 文朗 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10014135)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 医の倫理観 / 社会的責任 / 調査表 / 歯科医師 / 歯科学生 |
研究概要 |
近年、医療倫理や生命倫理に関する記事が多くみられる。若者らは、昭和50年の初期から歯科医師や歯科学生に対し、医の倫理観に関する意識調査を行ってきた。今回は、歯科医師がどのような医の倫理観を持ちながら歯科医療を行い、社会的責任を果しているのか、また歯科学生には、歯科医師になったらどのようなことに心掛けると、医の倫理の実践や社会的責任が果せるかを質問し、両者について観察を行った。 歯科学生2042名と歯科医師1719名を対象に、歯科学生は集団面接法、歯科医師は郵送法で意識調査を行い、両者の類似設問を比較検討した。 歯科医療を行う際、「患者から信頼感を得る」「患者に対して親切にする」ことを「常に心掛ける」ことが医の倫理の実践に連っていくこととしたのが、歯科学生を80%以上占めたのに対し、歯科医師は60%強であった。次に社会的責任を果すには、両者とも「患者の身になって診療をする」ことだとし、歯科学生は54.9%、歯科医師は45.4%を占め、第1位を示した。医の倫理に関する本は、両者とも「読んだことがある」との割合が高くみられたが、約12%の歯科医師は「全く読まない」と回答していた。医の倫理に関する講義の必要性は、両者とも十分に認識し、歯科学生は「歯学概論」や「倫理学または哲学」で、歯科医師は「特定せずにどの科目の中にもとり入れる」ベきだとしていた。 かつて歯科学生に「将来どんな歯科医師になりたいか」の問いに、「親切で患者の身になる歯科医師」は8.1%と低率だったのに、本調査では84.9%と高率を占めていた、また「医の倫理の本を読んだことがある」が40.2%であったのが、本調査では87.7%と高率を占めたことは、何に社会的背景に影響され、関与しているかを物語っていることを推察した。従って、このような調査はある間隔をきめて観察することに、意義のあることを見出した。
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