研究分担者 |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部・口腔病理学, 助手 (00224056)
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部・口腔病理学, 助教授 (90105685)
副島 嘉男 福岡歯科大学, 歯学部・小児歯科学, 助手 (50154696)
久芳 陽一 福岡歯科大学, 歯学部・小児歯科学, 助手 (90131862)
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研究概要 |
乳歯歯髓は永久歯歯髓と比較して多くの相異点があるといわれている。なかでも乳歯では修復象牙質の形成が旺盛であり,これは臨床においては利点として考えられている。そこでイヌの乳歯および永久歯に窩洞形成を行ない、同一のコンポジットレジンで表填を行なって、術後の修復象牙質の形成の違いを調べるために病理組織学的実験を行なった。乳歯の実験には生後5〜6カ月の雑種幼若犬4頭の左右上下顎C,PM,およびPM_2を使用し,永久歯では雑種成犬7頭のC,P_2,P_3,P_4,M,およびM_2を用いた。全身麻酔下でエア-タ-ビン注水下で五級窩洞を形成し,通法に従って光重合型臼歯部用コンポジットレジンであるPー50を光填した。実験後は乳歯では術後3日,7日,14日および21日の間隔で屠殺し,永久歯では短期間群として3日および長期間群としては90日目に屠殺して、通法に従い、病理組織標本を作製して鏡見した。その結果乳歯においては早いものでは術後7日日頃より窩底直下に修復象牙質の形成がみられるのに対し、永久歯では90日目でも修復象牙質の形成は軽微であった。よって乳歯の方が永久歯に比較して刺激に対する防禦反応と考えられる修復象牙質の形成が旺盛であることが証明された。 またヒトの乳歯および永久歯の歯髓内血管分布を調べる目的の1つとして、歯髓の血流をレ-ザ-ドプラ-血流計を用いて測定した。測定は層面にほぼ直角になるようにレ-ザ-光を入射し、その血流量を測定した。その結果乳歯では、永久前歯に比較して僅かに低い測定値を示した。
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