研究概要 |
2ーメチルー2ーシクロペンテノ-ルとしての機能のみならず,さらに高度の機能性を内在した素子としてジシクロペンタジエノ-ルならびに2ーカルボエトキシー2ーシクロペンテノ-ルの効率的な分割法の開発を検討した。いずれの場合も有機溶媒中リパ-ゼを用いる不斉アシル化によって高エナンチオ特異的な不斉アシル化が起こることを見出し,それぞれ両対掌体を光学的に純粋に得,目的を達成することが出来た。さらにジシクロペンタジェノ-ル素子についてはワ-トン転位反応を適用することによって相互反転法(エナンチオメリゼ-ション)を確立した。 まず得られたキラルなジシクロペンタジエノ-ルを用いることによって最近淡水産の藍藻から見出された最初のノルベンゾモルファン型天然物アファノルフィンのエナンチオ制御下の合成を検討し,これに成功した。一方,光学的に純粋に得た2ーカルボエトキシー2ーシクロペンテノ-ルを活用することによって1,25ージヒドロキシビタミンD_3の鍵中間体のエナンチオ制御合成を検討した。その結果,既存の手法を凌ぐ効果的な合成法を確立することに成功した。
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