研究概要 |
1)血液中に存在する微量のビタミンD代謝物を正確に定量するため、ビタミンDを特異的に蛍光あるいは化学発光標識する試薬を設計し、その合成を検討した。 2)超高感度蛍光発色団である2,7ージメトキシキノキサリノン(DMEQ)基に、最も反応性の高いジエノフィルである1,2,4ートリアゾリンー3,5ージオン環(TAD)を結合させた、高蛍光性ジエノフィル(DMEQーTAD)の合成に成功した。本化合物は世界的に初めての共役ジエンを標的とする蛍光標識化合物である。 3)DMEQーTADと各種ビタミンD代謝物と反応を検討し、いずれもほぼ定量的収率で蛍光標識体を生成することを明らかにした。 4)DMEQーTADを用いる血漿中のビタミンD代謝物の蛍光定量法を検討し、25(OH)2D3並びに24,25ー(OH)2D3に関してその正確な定量分析法を確立した。 5)従来定量法が知られていない活性型ビタミンDの主代謝物であるラクトンを本方法で定量するため、ラクトンの立体選択的合成法を検討しその簡単な合成法の確立に成功した。 6)DMEQーTADをビタミンA類との反応を検討し、いずれも高い位置選択性で一種の付加体を生成することを見いだした。
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