研究課題/領域番号 |
02670965
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 邦夫 明治薬科大学, 生薬学教室, 助教授 (40102933)
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研究分担者 |
高取 薫 (木下 薫) 明治薬科大学, 生薬学教室, 助手 (40247151)
小山 清隆 明治薬科大学, 生薬学教室, 講師 (20225593)
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キーワード | 鎮吐活性 / 厚朴 / 連翹 / 旋覆花 / magnolol / honokiol / rutin / chlorogenic acid |
研究概要 |
前年度において、厚朴の鎮吐活性成分についてさらに検討を加えた。活性本体の1つであるmagnololについて、その活性一構造相関について検討した。magnololのモノチメル及びジメチル誘導体について、活性を検討したところ、はぼ同程度の活性を示した。さらに、構造の1部である、フェニルプロパノイド系化合物6種について活性を検討したところ、側鎖にアリル基を有するものは、プロペニル基のものより活性が高かった。しかし、magnololのビフェニル部分の誘導体5種には活性はほとんどなかった。このことから、活性の発現には必ずしもネオリグナン構造やフェニル基の置換基は必須ではなく、側鎖の2重結合の位置が大きく関与していることが明かとなった。 鎮吐活性を示した生麦のメタノールエキスよりその本体として、6‐gingerol、8‐gingerol、10‐gingerolに加えて、6‐shogaol、8‐shogaol、10‐shogaolを得た。これらは、側鎖の長さが異なる類似化合物であるが、その長さの違いは、大きく活性に影響していない。 旋覆花のヘキサン・クロロホルム画分より、活性本体として、トリテルペン系化合物taraxasteryl palmitate、プソイドグアイヤンラクトン系化合物(IF‐3、IF‐4)を明らかにした。中枢性嘔吐剤であるapomorphine誘発性嘔吐に対しては、chlorogenic acidが有効であった。 レンギョウのメタノールエキスより、活性成分として、シクロヘキシルエタノール系化合物、リグナン系化合物、フラボノール配糖体を単離した。フラボノール配糖体の活性部分について検討するために、加水分解を行い、アグリコンとしてケルセチンを得たが、このものには活性はなく、配糖体構造が重要であることが判明した。 これらの結果より、古く中国で、そして日本で薬として使用されてきた生薬の薬効を、鎮吐活性の面から明らかにした。
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