研究課題/領域番号 |
02670981
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
際田 弘志 徳島大学, 薬学部, 教授 (50120184)
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研究分担者 |
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
原島 秀吉 徳島大学, 薬学部, 助教授 (00183567)
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キーワード | 薬物送達システム / リポソーム / マクロファージ / ライソゾーム / オプソニン / 補体レセプター / 薬物速度論 |
研究概要 |
リポソームの細胞への取込、特にライソゾームへの移行に焦点をあてて検討した。1)細胞内分布過程の定量化:ライソゾームでの分解反応を指標とした細胞内運命の定量化を行なった。ラット腹腔マクロファージを用い、^<125>I‐アルブミンがライソゾームでのリポゾームの分解の指標として妥当であるかどうか検討した。その結果、^<125>I‐アルブミンの分解速度はリポソームの分解速度よりも充分速く、マーカーとして適当であることかがわかった。(際田)2)In vivo実験系への適用:^<125>I‐アルブミン封入リポソームをin vivoに適用し、肝臓と脾臓におけるリポソームの分解のタイムコースを測定した。肝臓と脾臓では異なる分解速度過程を示し、ライソゾームにおけるリポソームの分解反応に臓器間の多様性が見られた。(原島)3)各種細胞におけるリポソームのライソゾームでの分解過程の速度論的解析:リポソームの分解過程に速い過程(k1)と遅い過程(k2)があると仮定し、それぞれの過程へf,1-fで振り分けられるとして、分解のタイムコースをフィッティングすることにより各パラメーターを算出した。その結果、肝臓では7割りのリポソームが速い過程に振り分けられているのに対して、脾臓ではほとんど全てが速い過程へ振り分けられていた。また、腹腔マクロファージでは約6割りが遅い過程へ振り分けられていた。このように、リポソームの分解過程には臓器間で多様性の見られることが明らかとなった。(際田)
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