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1990 年度 実績報告書

脳シチジレ-トシクラ-ゼの精製及びその生成物サイクリックCMPの生理作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670998
研究機関岡山大学

研究代表者

武藤 徳男  岡山大学, 薬学部, 助手 (30112642)

キーワードシチジレ-トシクラ-ゼ / サイクリックCMP生合成酵素 / サイクリックCMP / GTP結合蛋白質
研究概要

1.酵素の精製ーーシチジレ-トシクラ-ゼは、ラット脳の粗ミトコンドリア画分からの可溶化、Sepharose 6Bゲルろ過、疎水クロマトグラフィ-により約30倍に部分精製されたが、回収率の低さからその酵素分子の生化学的性質は解明できていない。これは本酵素の脳内含量の低さ(サイクリックAMP生合成酵素アデニレ-トシクラ-ゼの約1/20)、可溶化後の失活の速さ(活性の半減期約1週間)、活性補助因子の関与の可能性(イオン交換クラマトグラフィ-でほぼ完全に活性が消失する)などによることが明らかになった。そこで活性測定に要していた時間(22時間)を4時間に大幅に短縮する迅速簡便法を考案し、種々の中速、高速クロマトグラフィ-による酵素の分離を検討した。これらの系を組み合わせかつ大量試料を用いて本酵素の高度精製を現在進行中である。
2.酵素活性発現の制御ーーアデニレ-トシクラ-ゼがGTP結合蛋白質(G蛋白)と共役し、種々の刺激に対する細胞内情報系を構築していることは周知の事実である。今回、ラット脳シチジレ-トシクラ-ゼ活性がAlF_4^ーやGTPγS(GTP非水解性誘導体)で活性化され、またGDPβS(GDP非水解性誘導体)で不活性化されたことより、その発現にG蛋白が密接に関与していることが明らかになった。しかし、ADPリボシル化実験の結果より、関与するG蛋白はアデニレ-トシクラ-ゼ系のG_sやG_iとは異なり、新たな蛋白分子であることが示唆された。本酵素がG蛋白の制御を受けることは、その生成物であるサイクリックCMPが細胞内の新たな情報伝達因子である可能性を示すものであり、膜透過型サイクリックCMPの神経細胞の突起形成作用や肝細胞の増殖抑制作用などの我々のこれまでの研究成果を裏ずけるものである。現在、本酵素の情報伝達における役割解明とともにG蛋白の同定を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Norio Muto: "Activation of rat brain cytidylate cyclase by GTPーbinding protein" Biochem.Biophys.Res.Commun.

  • [文献書誌] 山本 格: "生物薬科学講座「情報伝達」(分担)" 廣川書店, (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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