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1991 年度 実績報告書

リソソ-ム膜を構成するシアロ糖タンパク質のクロ-ニングとその細胞内発現

研究課題

研究課題/領域番号 02671002
研究機関九州大学

研究代表者

姫野 勝  九州大学, 薬学部, 助教授 (50037602)

キーワードリソソ-ム膜 / 細胞内発現 / シアロ糖タンパク質 / 移行シグナル
研究概要

前年度に於てリソソ-ム膜に存在する分子量85Kを有するシアロ糖タンパク質(LGP85)のcDNAをラット肝cDNAライブラリ-より単離し、その構造と特徴を報告した。LGP85は近年単離された種々のリソソ-ムとは著しく異なった特徴を有していた。そこで、この特徴が種を超えて保存されているか否かを検討するために、ヒト膵臓ガン由来の高転移性株QGPー1NLよりcDNAライブラリ-を作製し、LGP85のcDNAをプロ-ブとしてヒトLGP85のcDNAの単離を試みた。得られたcDNAをhLGP85と命名して解析した。本cDNAはLGP85と同様に478個のアミノ酸より成り、シグナルペプチドが切断されずに膜アンカ-ドメインとして働き、更にC末端側の疎水性ドメインも膜アンカ-部位として働いていることが明かとなった。LGP85とhLGP85の相同性はアミノ酸レベルで86%であった。またLGP85はN型糖鎖結合部位は11カ所存在したがhLGP85は4番目のN型糖鎖結合部位のアスパラギンがアスパラギン酸に変化していたため1個減少して10個であった。細胞の高転移性は糖鎖中のGlcNAcβ1ー6結合の増加による分子量の増加が観察されているので、ラット肝、ヒト肝、QGP1NL、およびプラセンタ中のLGP85の分子量をイムノブロトで検討したが4者間での分子量の相違は観察されなかった。
以前にクロ-ニングが完了していたLGP107の細胞内発現をCOS細胞を用いて試みた。LGP107のサイトプラスミックテイルはリソソ-ムへのタ-ゲットシグナルと考えられているので、サイトプラスミックテイルを切断したものとしないものとの細胞内発現を試みた。COS細胞での発現を免疫電顕で観察すると、ワイルドタイプはリソソ-ムに多く観察されたがミュタントはリソソ-ムに観察されず形質膜とゴルジ複合体に多く観察された。この事から、サイトプラスミックテイルはリソソ-ムへのタ-ゲットに重要であることとゴルジ複合体間をスム-スに移行して行くためにも重要な機能を有している事を示唆する結果を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Koji Furuno: "Immunocytochemical study of the surrounding envelope of autophagic vacuoles in cultured rat hepatocytes." Exp.Cell Res.189. 261-268 (1990)

  • [文献書誌] Yoshitaka Tanaka: "Biosynthesis,processing,and intracellular transport of lysosomal acid phosphatase in rat hepatocytes." J.Biochem.108. 278-286 (1990)

  • [文献書誌] Yoshitaka Tanaka: "Release of acid phosphatase from lysosomal membranes by cathepsin D." J.Biochem.108. 287-291 (1990)

  • [文献書誌] Yoshitaka Tanaka: "Transport of acid phosphatase to lysosomes does not involve passage through the cell surface." Biochem.Biophys.Res.Commun.170. 1067-1073 (1990)

  • [文献書誌] Hidenori Fujita: "Isolation and Sequencing of cDna Clone Encoding 85kDa Sialoglycoprotein in Rat Liver Lysosomal Membranes." Biochem.Biophys.Res.Commun.178. 444-452 (1991)

  • [文献書誌] Masaru Himeno: "Mechanisms of a Conversion from Membrane Associated Lysosomal Acid Phosphatase to Contents Forms." Biochem.Biophys.Res.Commun.180. 1483-1489 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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