研究課題/領域番号 |
02671016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
福田 英臣 日本大学, 薬学部, 教授 (50080172)
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研究分担者 |
伊藤 芳久 日本大学, 薬学部, 専任講師 (50151551)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | GABA_A受容体 / GABAアンタゴニスト / SR95531 / ^<36>Cl^ーuptake / ^<35>SーTBPS結合 / Phospholipase A_2 / 小脳神経細胞初代培養系 / シナプトニュ-ロソ-ム |
研究概要 |
SR95531[2ー(3'carbetoxyー2'ーpropyl)ー3ーaminoー6ーparamethoxyーphenylーpyridazinium bromide]のアンタゴニスト作用と受容体結合を調べた。SR95531とビククリンメチオダイド(BMI)は、大脳皮質シナプトニュ-ロソ-ム画分でのムシモ-ルによって増強される ^<35>Cl^ーuptakeを濃度依存的に抑制した。SR95531のアンタゴニスト作用は、BMIの作用に比べ、15倍強力であった。この大脳皮質シナプトニュ-ロソ-ム画分におけるムシモ-ルによって増強される ^<35>Cl^ーuptakeに対するSR95531のIC_<50>値は、前皮質における ^3HーSR95531結合の低親和性部位のK_D値とほぼ同じであった。SR95531とBMIは、GABAの ^<35>SーTBPS結合の抑制に対しても拮抗作用を示し、SR95531の効果はBMIよりも強力であった。脳膜標品をPLase A_2で前処置すると、 ^3HーSR95531結合は常に抑制された。しかし、PLase A_2処置により、大脳皮質の ^3HーGABAの結合は濃度依存的に増大した。小脳においては、低濃度のPLase A_2処置で ^3HーGABA結合は変化を受けなかったが、比較的高濃度のPLase A_2処置で結合は増大した。また、大脳皮質におけるPLase A_2処置による ^3HーGABA結合の増大率は小脳の場合よりも大きかった。また、小脳神経細胞の初代培養系においても、 ^3HーSR95531の特異的結合認められた。PLase A_2処置は、この小脳神経細胞の初代培養系より得られた膜標品の ^3HーGABAと ^3HーSR95531結合に対しても小脳の場合と同じような影響を与えた。これらの結果は、SR95531は、低親和性部位を介してGABAアンタゴニスト作用を発揮すると共に、外因性に加えたPLase A_2がGABA_A受容体をアゴニストが結合しやすい型へ変換することを誘発することを示唆している。また、小脳神経細胞の初代培養系は、in vitro系で各種薬物の長期暴露によるGABA_A受容体への影響を調べる系として有用であると思われる。
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