• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

シアリダ-ゼの活性発現に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02671018
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

宇田 裕  新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (90013937)

研究分担者 平岩 雅男  新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (40148127)
キーワードシアリダ-ゼ / αーガラクトシダ-ゼB / αーNーアセチルガラクトサミニダ-ゼ / cDNAクロ-ニング
研究概要

ヒト胎盤シアリダ-ゼの活性発現に重要な係わりを持つと考えられる分子量46K蛋白について、そのcDNAクロ-ニング及び構造解析を行った。ヒト胎盤cDNAライブラリ-(λgt11)より、抗46K蛋白抗体及び46K蛋白のペプチド断片のアミノ酸配列を指標に合成したオリゴヌクレオチドをプロ-ブとしてcDNAライブラリ-のスクリ-ニングを行なった。その結果,得られたcDNAの塩基配列から46K蛋白は358個のアミノ酸から成ること,さらにN末端側に17個のシグナルペプチドを持つことがわかった。しかしながら、ホモロジ-リサ-チにより,このアミノ酸配列はヒト及び酵母のαーガラクトシダ-ゼに対し高いホモロジ-を持つことがわかり、さらに検討した結果,46K蛋白は事実上αーガラクトシダ-ゼBとも呼ばれているαーNーアセチルガラクトサミニダ-ゼであることが明らかとなった(Biochem.Biophys.Res.Commun.,163,1498(1989))次に、このαーNーアセチルガラクトサミニダ-ゼのcDNAをCOS細胞にトランスフェクトさせたところ,αーNーアセチルガラクトサミニダ-ゼ活性の発現が確認され,46K蛋白がαーNーアセチルガラクトサミニダ-ゼであることを実証した。(Biohem.Biophys.Res.Commun.,170,231(1990))
一方,シアリダ-ゼの活性化機構について検討を行った。各種プロテア-ゼインヒビタ-による活性への影響を調らべたところ、アミノペプチダ-ゼA及びロイシンアミノペプチダ-ゼの阻害剤として知られるアマスタチンが特異的に阻害することを見出した。用いたシアリダ-ゼの部分精製標品にはアミノペプチダ-ゼ活性が存在しており、この活性はアマスタチンにより阻害された。これらの結果は、シアリダ-ゼの活性化がプロテア-ゼの機能と何等かの係わりを持つことを示すものであり、その詳細をさらに検討している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Shoji Tsuji: "Molecular cloning of a fullーlength cDNA for human αーNーacetylgalactosaminidase(αーgalactosidase B)" Biochem.Biophys Res.Commun.163. 1498-1504 (1989)

  • [文献書誌] 平岩 雅男: "βーgalactosidase multimerに含まれる30K蛋白成分について" 日本薬学会110年会構演要旨集3. 9 (1990)

  • [文献書誌] 平岩 雅男: "シアリダ-ゼの活性化" 生化学. 62. 888 (1990)

  • [文献書誌] 平岩 雅男: "ヒト肝臓シアリダ-ゼについて" 生化学. 62. 888 (1990)

  • [文献書誌] Masao Hiraiwa: "Activation of human placental and hepatic sialodases" in preparation.

  • [文献書誌] Nathan Sharon: "Proceedings of Xth International Symposium on Glycoconjugates" Organizing Committee of Xth International Symposium on Glycoconjugates,Jerusalem, 497 (1989)

  • [文献書誌] Juji Yoshimura: "XVth International Carbohydrate Symposium,Abstract" Organizing Comittee of XVth International Carbohydrate Symposium, 476 (1990)

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi