研究課題/領域番号 |
02671036
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
石川 済 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30168190)
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研究分担者 |
長束 一行 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70189140)
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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キーワード | プライマリ・ケア / 卒前教育 / 臨床教育 / 臨床実習 / 地域医療 |
研究概要 |
高度に分化する専門医療とともに、社会構造の変化や生活環境を加味して行う総合的な医療(プライマリ・ケア)を実社会を場に教育することが、医師養成の課程に必須のものと位置づけた。 本研究は今後必要となるプライマリ・ケアの素養を、大学教育の中で地域医療の現場と連携して、どのような方式で教育することがふさわしいかを示すことにある。 代表者らは過去5年間にわたり、山間部の人口約千人の地区を選び、当該地区の公的診療所を拠点にモデル的なプライマリ・ケア(外来診療・往診・健康診断・情報管理・他機関との連携)の研究をすすめるとともに、それと連動して地区住民の理解を得ながら、卒前の実習教育を試行してきた。本年度は公的診療所を拠点として、地域生活に密着した医療サ-ビスの目標、医師として行うべき医療サ-ビスの要素、その展開の手順について、参加者が体験を通じて自ら構成的に学習していけるよう、小グル-プ編成による実習カリキュラムを再編成し、実行した。本年度に特に加えた項目は、 (1)教育カリキュラムの改良とその教育効果への影響の検討 (医師の医療活動に対する学生の視野の変化を分析中) (2)住民健康情報の活用とプライバシ-保護の教育手法 (医療への健康情報の活用と、プライバシ-保護・インフォ-ムドコンセントのありかたの実地演習手法を、試行・評価検討中) この試行研究は、地元地域住民・行政にも受け入れられ、定着しつつある。学内的にはこのカリキュラムは臨床実習期間に組み入れられた。上記の分析資料からは、学内および、従来の教育研修指定病院での実習では困難であろう社会生活や環境に起因する健康障害に、全人的に対応する視野が育ちつつあることを示唆する結果を得つつある。
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