スチルビデオシステムは画像をビデオフロッピ-に記録し、それをモニタ-テレビで再生するシステムである。このシステムを使用すれば、CDーROMやビデオディスク等の映像記録メディアと異なり、簡単にしかも安価に自作教材を作成することができる。そのうえ、コンピュ-タよりの制御により、記録された画像デ-タをランダムに再生することも可能である。本研究の目的はこのシステムを利用した医学教育用のシミュレ-ションシステムの開発と、その教育効果の検討である。利用した装置はフジフイルム製のスチルビデオカメラおよびスチルビデオレコ-ダ-で、これらにより画像デ-タを記録し、パ-ソナルコンピュ-タNEC製PCー9801ESにてRSー232C端末を介して制御し、必要な画像をモニタ-上に出力させた。学生の問題解決能力を教育するために、救急疾患のシミュレ-ションを計画し、心筋梗塞と急性腹症のシナリオを作成したが、今年度は画像デ-タの準備がととのった、急性腹症の子宮外妊娠のシナリオを採用した。シナリオにそって作成したプログラム用のフロ-チャ-トにより、プログラマ-と相談しつつ、22枚の画像を使用し、137ステップ、1273行のプログラムを作成した。使用した言語はBASICである。完成後産婦人科専門医の試用後の指摘により修正を加えた。さらに学生の使用後の感想として、パソコンのディスプレイと画像用のモニタ-の2つの画面を同時に見ることが煩わしいとの指摘もあったため、次年度計画として両画面をス-パ-インポ-ズして1つのモニタ-で観察できるように改良する予定である。なお本シミュレ-ションによる学生実習を明年度に行ない、教育効果について検討する。
|