培養小脳細胞(免疫蛍光法を用いて結経細胞であることは確認済みである)を採取することが可能となった。更にそれは ^3Hームシモ-ルの特異的結合からGABAニュ-ロンであることも確認出来た。しかし現時点ではグルコ-スの利用率を測定出来る段階までには至っていない。その前段階として分離脳細胞を用いたグルコ-スの利用率は測定できることが明かとなり ^<14>Cー2ーデオキシグルコ-スのリン酸化は確認出来た。更にGABA_Aアゴニストであるムシモ-ルのレセプタ-への結合占有率と脳グルコ-ス代謝速度変化の関係をin vitroとin vivoの実験に基づいて明らかにした。脳グルコ-ス利用率の測定は ^<14>Cー2ーデオキシグルコ-スと ^3Hームシモ-ルを用いたダブルトレ-サ法により測定した。ムシモ-ルの種々投与量で脳グルコ-ス代謝速度の投与量依存的な減少が観測された。またレセプタ-へのムシモ-ルの特異的結合( ^3Hームシモ-ルをリガンドとして用いる)は培養細胞の前段階として脳分離細胞を用いin vitro実験に基づいて測定した。非特異的な結合は平衡透析法を用いてin vitro実験で測定した。またムシモ-ルの種々量を投与した後の脳内濃度を測定した。以上のin vitroとin vivoデ-タより各種投与量下におけるレセプタ-結合占有率を算定した。In vitro実験から見積ったムシモ-ルのレセプタ-結合占有率と脳グルコ-ス代謝変化の間には直線的な関係が見いだされた。これらの知見より、GABA_Aレセプタ-ーリガンドシステムにおいては単純なレセプタ-占有モデルが適合することが明かとなった。これは以前にクロナゼパム(ベンゾジアゼピンアゴニスト)のレセプタ-結合占有率と脳グルコ-ス代謝変化の飽和形の関係と大きく違うものであった。以上より、それぞれの薬物の占有率が変動した場合、ムシモ-ルでは高感度に脳グルコ-ス代謝が変化するが、ベンゾジアゼピンアゴニストでは大きな変化が見られないことが明かとなった。
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