平成2年度の研究計画では、先に16ビットパソコン上で開発した看護勤務計画作成システムを、32ビット計算機に移植し、大規膜看護単位や複雑な制約を伴う看護部門、さらに看護以外の職種にも適応できるように、システムの機能拡張、適応機種の拡大をはかることを目的とした。これについて次の研究成果を得た。 1.システムを32ビットパソコンMacintosh II(Apple社製)に移植した。言語はIFーProlog(Interface Computer社)を用いた。これによりシステムの大規模看護単位への適応が可能になった。また32ビット機の大容量メモリを活用した新たなアルゴリズムを開発して、スケジュリングの計算時間を大幅に短縮することができた。 2.32ビット機のグラフィックス機能を活用したユ-ザインタフェ-ス(1ヵ月の勤務計画を従来の手作業で作成された計画表と類似の形式で画面表示する等)を新たに開発して、システムの操作性・実用性を高めた。 3.Macintosh上のシステムをUNIXワ-クステ-ション(SONY製 NEWS)に移植し、動作を確認した。さらに上位のワ-クステ-ションと業務用計算機機種にも移値を進めているが、かなりの作業が必要なため完了は次年度の予定である。言語はIFーProlog、KーProlog(アイザック社)、QuintusーProlog(Quintus社)を用いている。 4.本学医学部附属病院、新潟県立ガンセンタ-、富山医科薬科大学医学部附属病院等の医療機関について看護勤務条件の詳細を検討し、各機関固有の勤務計画作成プログラムを自動生成した。これを用いてすでに計画作成作業を実施したが、今後長期的に計画作成を継続し、最終的なシステム評価を次年度行なう予定である。 5.本学医学部との共同により、検査部門での職員の勤務、医師当直勤務に関する制約条件を調査し、システムの適用について検討した。これに基づいてシステム拡張を進めており、次年度適用を実施する予定である。
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