研究概要 |
膵からglucagonと同時に分泌されるglucagonーlike peptide(GLPー1)の構造は、preproglucagonのアミノ酸配列の72ー108位GLPー1ー(1ー37)に相当する。GLPー1ー(1ー37)およびそのtruncated formである78ー108位のペプチドGLPー1ー(7ー37)には生理活性としてinslinotropic action認められ、膵A細胞機能の生理的役割に関与している。ホルモン作用の発現は、その分泌と代謝のバランスより保持されており、代謝面からGLPー1の生理調節機構を追求した。 ラットにGLPー1ー(1ー37)を単回および持続投与し,血中GLPー1の濃度時間曲線から外因性GLPー1の半減期は39〜48分、分布容量は516〜904ml、代謝率は18〜28ml kg^<-1>min^<-1>であった。GLPー1ー(7ー37)の半減期は9.9±2.6分で、分布容量は2040±915ml、代謝率は137±30ml kg^<-1>min^<-1>であった。 arginine刺激によるヒトの内因性GLPー1の半減期は約46分で、血中に増加したIRGLPー1はmajor proglucagon fragmentの可能性を示唆した。 平成3年度は、ストレプトゾシン糖尿病ラットおよび糖尿病患者について検討する。
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