研究概要 |
前年度,ストレプトゾトシン糖尿病ラットの視床下部腹内側核におけるモノアミン代謝が低下していることを明らかとしたことより、本年度は、同部位における他の物質代謝の変動を測定,分析してゆく目的から、高速液体クロマトグラフィ-法を用いて、マイクロダイアリ-シス・プロ-ベより採取した透析液中のアミノ酸,3ーハイドロキシ酪酸やガンマ-アミノ酪酸濃度の測定系の確立を試みた。しかしながら,逆層クロマトグラフィ-等を用いない系にて当初検討をすすめたところ,測定系の確立が困難と考えられ,コンピュ-タ-を用いた逆層クロマトグラフィ-法の導入を試み,今は感度試験を行ない,脳透析液中のこれらの化学物質測定可能な範囲に入るように,測定系を確立中である。また,これを同時に,ストレプトゾトシン投与后の糖尿病成立過程,すなわち血糖値の上昇,インスリン濃度の低下と過食行動の発現時期を更に詳細に明らかにする目的より,我々が従来より用いている群大式行動分析装置を本研究にも導入し、ストレプトゾトシン投与后1日,1日の行動変化を分析することをくり返すことにより、次年度,マイクロダイアリ-シス・プロ-ベを用いた継時的な視床下部内モノアミン代謝の変動を分析する予備的なデ-タとした。また高速液体クロマトグラフィ-に直接マイクロダイアリ-シス・プロ-ベより採取した透析液を注入可能なシステムの確立,導入をも同時に試みてはいるが,時間差の大きいこと等の問題が大きく,依然として実用的な段階には至っていないため,次年度の課題としてゆきたい。
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