研究課題/領域番号 |
02671084
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
白井 厚治 千葉大学, 医学部・内科学第二講座, 講師 (00150269)
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研究分担者 |
森崎 信尋 千葉大学, 医学部, 助手 (40174411)
齋藤 康 千葉大学, 医学部, 講師 (50101358)
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キーワード | リポ蛋白リパ-ゼ(LPL) / I型高脂血症 / LPL Gene |
研究概要 |
[目的]反復して膵炎に罹患していた高カイロミクロン血症患者の中で血中中性脂肪の分解酵素であるリポ蛋白リパ-ゼ(LPL)の機能に異常のある症例が見出された。そこで1、本患者の機能異常リポ蛋白リパ-ゼの構造解析を行なうために遺伝子解析からアミノ酸配列の異常を明らかにすることを試みた。2、変異LPLを発現させ、その機能を解析し、LPLの活性中心部位と界面認識部位を明らかにし、症例のLPLの機能解析に役立てる。 [対象と方法]対象患者はヘパリン静注後血漿中にLPL酵素蛋白は存在しており、長鎖脂肪酸エステルであるトリオレインは分解しなかったが短鎖脂肪酸エステルであるトリブチリン分解し得る性質を有した。リポ蛋白とは結合しなかった。遺伝子解析はエクソン1から10までをpolymerase chain reaction(PCR)法によって採取し、そのDNA配列を決定した。変異LPLDNAを作成しこれをCOScellにDEAEデキストラン法にてtransfectionし、LPL蛋白を発現させた。 [結果]1、本患者のLPL遺伝子のエクソン1から9までは異常がみられずエクソン10のアミノ酸478番目に相当するコドンのTCAがTGAに変化しストップコドンとなっており、患者はそのヘテロ型であった。次年度この部位の変異型geneを作成して発現させその機能を解析する予定である。2、LPL132のセリンがアルギニンにかわった変異LPLはトリブチリン水解活性を有していたがトリオレイン水解活性は低下していた。脂質界面と結合するとトリブチリン水解活性の上昇が見られるが変異LPLではそのような現象は見られなかった。132セリンの意義をさらに検討する必要がある。
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