平成二年度に於て、我々は[dCys^<35>]ラットPTHー(1ー35)NH_2(CysPTH)を合成した。次にDTPAmoietyをスペ-サ-を介して共有結合的にCysPTHに導入した(DPTH)。DPTHのligand probeとしてのeligibilityを検討し、これを ^<111>Inにより標識し、 ^<111>InーDPTHがPTHRをコ-ドするcDNAの発現クロ-ニングにおけるligand probeとして相応しい諸性質をもつことを明らかにした。 平成3年度において、PTHRをコ-ドするcDNAの発現クロ-ニングを試みた。PTHRを多量に発現しているマウス由来ATDC細胞およびウサギ静止軟骨初代培養細胞よりcDNA libraryを作成し、それぞれ、pCDNA1を発現ベクタ-として組み込み、DEAEーdextran法によりCOSー1細胞に導入した。PTHRを発現する細胞は、 ^<111>InーDPTHの結合能を指標として以下のごとく検出を試みた。プラスティクプレ-ト上でCOSー1細胞を ^<111>InーDPTHと結合させたのちautoradiographyを行ない、PTHRを発現している細胞をスクリ-ニングした。positive signalを有するCOS細胞よりplasmid DNAを回収し、electroporationによりE.coliに導入してplasmid DNAを調製した。この方法を繰り返すことにより、PTHRをencodeするcDNA clone poolのenrichmentを試みた。本法を種々のパラメ-タを変更しながら25回試みたが、非特異的信号を除外するに到らず、単一なクロ-ンを得ることはできなかった。平成3年8月、米国ハ-バ-ド大学のSegreらのグル-プが、我々とほぼ同一の方法によるPTHRのクロ-ニングに成功した。
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