研究概要 |
1.ヒトおよびブタ各組織におけるエンドセリン(E)受容谷サブタイプの解析 ヒト(手術標本)およびブタ各組織より調製した膜標品を用いてのAffinity labelingと結合実験の結果,各組織には主として2つの型のET受容体,即ちETー1,ETー2に親和性を有すETー1/ETー2特異受容体とET isopeptide全てに親和性を有すET family共通受容体が部位特異的に分布していることを見い出した(既報),上記2型は各臓器によりさらに細分化されることを見い出した(未発表) 2.エンドセリン(サラホトキシン)アフィニティ-クロマトグラフィ-の開発 種々のETおよびET類似ペプチドのサラホトキシン(SRT)の誘導体を合成,構造・結合活性相関の検討から,最適リガンドとして,SRTの4位のリジンをBiocytinと置換したペプチド(CSCB^4DMTDKECLYFCHQDVIW)を選択,アビジンカラムに結合させ,Biocytin^4ーSRTカラムを作成,可溶化受容体の結合,解離に成功した. 3.ウシ脳からのET受容体の精製と一部アミノ酸構造の決定 B^4ーSRTカラムとさらにゲル濾過(TSK 3000SW_<XL>)によりウシ脳よりET受容体蛋白を得た.分子量は50Kであった.ブロムシアン分解断片の解析から一部アミノ酸構造(NH_2ーLFSFYFCLPLAITーCOOH)を決定した. 4.ET受容体のサブタイプ別のクロ-ニング 一部アミノ酸構造よりこれをcodeするオリゴヌクレオチドのアンチセンス体を合成,ヒト肝(手術標本)のcDNA libraryよりET受容体の一つのサブタイプをクロ-ニング中である.今後,B^4ーSRTカラム,cDNA libraryの検索,expression vectorへの導入等の方法を用い,他の細かなET受容体サブタイプの同定を続ける予定である.
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