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1990 年度 実績報告書

ヒト白血病にみられる特異的染色体異常の切断点の分子生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 02671118
研究機関宇都宮大学

研究代表者

佐藤 裕子  宇都宮大学, 保健管理センター, 助教授 (10137713)

キーワードt(11;19) / cーetsー1 / insulin receptor gene
研究概要

我々は、t(11;19)(q23;p13)異常をもつ白血病3症例(ALL2例とAMLーM4 1例)で、19p13に局在するinsulin receptor gene(INSR)と11q23に局在するcーetsー1 geneがt(11;19)転座に伴い、どのように移動しているのかを検討した。その結果、cーetsー1 geneはALL症例でもAML症例でも11p13に移動していたが、INSR geneはALL症例では19p+の19p13の位置に留まっているのに対し、AML症例では転座先の11qーに移動していることが判明した(Mitani K,et al.Am J Hematol 31:253ー257,1989)。
このことから、同じt(11;19)転座でも、lineageの違いにより、19p13の切断部位は異なっている可能性が考え得る。前記の論文では、症例数が少ないため、この事を多くのt(11;19)症例で検討すべく、全国からt(11;19)をもつ白血病症例を集め、現在、6症例と5種のcell lineが集まっている。興味深いことに、(1)t(11;19)転座の19p13のbreak pointはdistalなものとproximalなものと2種あること、(2)distal breakpointをもつものは、AML、ALLのlineageを取り得るが、proximal breakpointをもつものは、ほとんどがAMLの形態を取るようである、ことが分かった。この2種のt(11;19)転座の症例につき、現在、in situ hybridizationの実験を行い、デ-タ-を集積中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ema H,et al.: "In vitro differentiation of leukemic cells to eosinophils in the presence of interleukinー5 in two cases of acute myeloid leukemia with the translocation t(8;21)(q22;q22)." Blood. 75. 350-356 (1990)

  • [文献書誌] Mitani K,et al.: "Philadelphia chromosomep positive Bーcell type malignant lymphoma expressing an aberrant 190ーkD cーabl protein." Brit J Haematol. 76. 221-225 (1990)

  • [文献書誌] Sato Y,et al.: "Hemopoietic stem cels in chronic myelocytic leukemia." Acta Haematol Jap. 53. 1577-1588 (1990)

  • [文献書誌] Sato Y,et al.: "Second relapse of acute promyelocytic leukemia(ANLLーM3) with a t(15;17) and the translocation,t(1;3)(p36;q21)." Cancer Genet Cytogenet,.

  • [文献書誌] 佐藤 裕子: "in situ hybridization." 検査と技術. 18. 225-230 (1990)

  • [文献書誌] 佐藤 裕子: "in situ hybridization." 検査と技術 19巻増刊号『臨床血液検査ーー形態学的検査と止血機能検査』.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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