研究課題/領域番号 |
02671129
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
新谷 憲治 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50145116)
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研究分担者 |
網澤 進 大阪大学蛋白質研究所, 化学構造, 助教授 (30029962)
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キーワード | 細胞分化誘導 / サイトカイン / ウロキナ-ゼ / プラスミノゲン・アクチベ-タ-・インヒビタ- / フォルボ-ル・エステル / デキサメタゾン / リンパ腫細胞株 / マクロファ-ジ |
研究概要 |
1.プラスミノゲン・アクチベ-タ-・インヒビタ-2(PAIー2)産生細胞株PLー21のPAIー2産生に及ぼすフォルボ-ル・エステルやレチノ-ル酸、デキサメタゾン、GーCSF、TNF、TGF、ILー6などの細胞分化誘導物質やサイトカインの影響を検討した。その結果、PLー21細胞をマクロファ-ジ様細胞に分化誘導するフォルボ-ル・エステルはPAIー2産生をその抗原量として約20倍に増加するが、一方顆粒球細胞に分化誘導するレチノ-ル酸では、PAIー2産生に影響しないことが判明した。また、GーCSFやTNE、TGF、ILー6などのサイトカインもまたPLー21産生に影響しなかった。特に、TNFとILー6を同時に細胞培養液中に添加すると、フォルボ-ル・エステルの場合とと同様にPLー21細胞は形態上マクロファ-ジ様細胞に変化したがPAIー2産生は増加しなかった。このことから、フォルボ-ル・エステルのPAIー2産生増加作用は必ずしもマクロファ-ジ様細胞への形態変換と関連しているものでないことが推定された。 デキサメタゾンもまたPLー21細胞のPAIー2産生を約6倍程度に増加した。 以上の成果は、Thrombosis & Haemostasis誌および臨床血液学会誌(シンポジウム特集)に掲載される。 2.高分子urokinase(UK)産生リンパ腫細胞株RCーK8のUK産生に対するフォルボ-ル・エステルとデキサメタゾンの効果を検討した。フォルボ-ル・エステルではUK産生は約2倍に増加したが、デキサメタゾンでは逆に約半分に減少した。このRCーK8細胞では、フォルボ-ル・エステルあるいはデキサメタゾンのいずれを使用した場合でも、プラスミノゲン・アクチベ-タ-・インヒビタ-1および2の産生誘導は認められなかった。 この研究成果はThrombosis Research誌に役稿中である。
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