• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

B細胞刺激因子による造血幹細胞の増殖分化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 02671131
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

薗田 精昭  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60206688)

キーワードB細胞刺激因子 / 造血幹細胞 / ILー4 / ILー6 / ILー9 / GーCSF / BPA / 幹細胞純化
研究概要

研究は当初の計画に従って、まず部分純化した骨髄および末梢血のnull cellsを標的細胞として、ILー4の造血因子活性について検討した。その結果、ILー4がGーCSFと協調して好中球コロニ-形成を著しく増強し、一方、ILー3とMーCSFで支持されるマクロファ-ジコロニ-の形成に対しては抑制的に作用することが明らかになった。次に、ヒトILー6の巨核球コロニ-形成に及ぼす影響について、ヒト骨髄より得たnull cellsを用いて検討した。ヒトILー6はマウスの系で報告されているように、おもに巨核球系前駆細胞の成熟因子として作用するが、マウスと異なりコロニ-形成率(PE)には影響しないことが明らかになった。巨核球系幹細胞の初期の増殖分化にはILー3,GMーCSFが重要であり、ILー6との協調作用により成熟巨核球が誘導されると考えられた。次に、ILー4の巨核球系幹細胞の増殖分化に対する影響について検討した。その結果、ILー4は巨核球コロニ-および巨核球を含む混合コロニ-の形成を選択的に抑制することが示された。これらの知見は、FACSにより分離したCD34陽性細胞を標的細胞とした培養系においても確認されたことから、ILー4の直接効果と考えられた。また、ILー5に関しては、すでに報告した好酸球系前駆細胞に対する成熟因子活性の他には新たな造血作用は認められなかった。
次に、悪性T細胞株の産生するILー9の造血作用について検討した。ILー9は、巨核芽球細胞株(M07E)の増殖を活性の指標としてクロ-ニングされたが、巨核球系前駆細胞のコロニ-形成を支持しなかった。さらに、巨核球の成熟促進やILー6との協調作用も認められなかった。一方、ILー9はEpo存在下で赤芽球バ-ストの形成を支持した。しかし、ILー3と同時に添加しても相乗効果のないことから、ILー9はILー3に反応する赤芽球バ-ストの一部を支持すると考えられた。一方、GMーCSFとILー9を同時に添加すると相乗効果を認めたことから、ILー9はGMーCSFに反応する赤芽球バ-ストとは異なったポピュレ-ションを支持することが示唆された。この他、stem cell factor(SCF)とILー4,ILー6,ILー9との造血相互作用について、FACSを用いて高度に純化した標的細胞を用いて基礎的検討を行った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Sonoda Y et al.: "Actions of human interleukinー4/Bーcell stimulatory factorl on proliferation and differentiation of enriched hematopoietic progenitor cells in culture" Blood. 75. 1615-1621 (1990)

  • [文献書誌] Sonoda Y et al.: "Treatment of idiopathic neutropenia in the elderly with recombinand human granulocyte colonyーstimulating factor" Acta Haematol. 85. 146-152 (1991)

  • [文献書誌] Sonoda Y et al.: "Bilineage response in refractory aplastic anemia patients following longーterm administration of recombinant human granulocyte colonyーstimulating factor" Eur J Haematol. 48. 41-48 (1992)

  • [文献書誌] Sonoda Y et al.: "Human interleukinー9 supports formation of a subpopulation of erythroid bursts that are responsive to interleukinー3" Am J Hematol,1992,.

  • [文献書誌] Sonoda Y et al.: "Human interleukinー4 selectively inhibits proliferation of megakaryocyte progenitor cells in culture" Blood.

  • [文献書誌] Sonoda Y et al.: "Human interleukinー6 supports terminal proliferation and maturation of megakaryocyte progenitor cells in vitro"

  • [文献書誌] 薗田 精昭: "造血器腫瘍アトラス 2.サイトカインと造血調節" 日本医事新報社, 162 (1991)

  • [文献書誌] 薗田 精昭: "血液疾患のバイオテラピ- 1.サイトカインと造血調節ー無血清培養法へ応用ー" 206 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi