研究概要 |
平成3年度は、2年度に完成した、高繰り返し短パルスの電子ビ-ム加速器(100ー150keV,100A,50nsー1μs,0.1ー100Hz)の改良と、なるべく広い範囲のパラメ-タ領域で動作出来るプラズマガイド(電子サイクロトロン共鳴生成プラズマビ-ム,1x10^9-10^<11>/cm^3)の設営、電子ビビ-ムの入射実験、サイクロトロン自発放射の検出、ジャイロクライストロンの動作実験、パラメ-タ依存性の確認と解析を行なった。もっとも大きな結果として、プラズマアシステッドジャイロクライストロンの動作を確認し、(1)プラズマのパラメ-タを制御することによって、クライストロン動作周波数チュ-ナブルにする可能性と、(2)真空場ジャイロクライストロンに比べると、使用したパラメ-タ範囲では利得にして最大約20dbの増強を見出した。研究中に関連して調べるべきテ-マが次々に発見され、かつまた金沢大学から移管した主要(電子ビ-ム生成)装置に故障が発生して(恐らく輸送中に発生した原因によると推定される)、修理に時間がかかったなどもあって、より長期的な視野に立って研究計画を再検討する必要が生じ、必ずしも計画したすべてを年度内に完了させることが出来なかった。テ-マを紋って成果をまとめ、早い機会に発表の予定である。更に、よりスケ-ルの大きいパラメ-タの電子ビ-ム生成装置を持つ(性格はかなり違う)日本原子力研究所の自由電子レ-ザ-研究チ-ムと以前より共同研究を行なっており、特に本年、真空場相対論的ジャイロクライストロンの共同実験を行なって我々の結果と比較した。更に典型的な平面ウィグラ-(集束型)自由電子レ-ザ-の実験を行なうことによって、ジャイロクライストロン(プラズマガイド型を含む)と併せての一般的理論を構築するよう努力した。これら関連研究の発表論リストを後に掲げる。
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