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1990 年度 実績報告書

一般曲線座標系を用いた高精度3次元非圧縮時間発展MHDコ-ドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 02680014
研究機関四日市大学

研究代表者

武本 行正  四日市大学, 経済学部, 助教授 (80155051)

研究分担者 中嶋 徳嘉  核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (30172315)
キーワード非圧縮MHD方程式 / 一般化座標 / 任意形状境界 / 領域分割手法 / 圧力場の反復解法 / 数値シミュレ-ション
研究概要

現在、プラズマの数値シミュレ-ションは主に圧縮性のケ-スが多く、解法としてはスペクトラム法や差分法が多用されている。これに対してここでは最近の著しく進歩した数値流体力学での非圧縮流分野での差分解法を非圧縮性プラズマの解析に適用する。その際、磁気軸近傍の解析は従来の円筒座標でのメッシュ配置では計算誤差が大きくなるので、軸中心近傍を通常の直交座標系でメッシュを分布させる領域分割法の技法を採用し2重化メッシュを構成してこれを回避する。これによって、従来解析が出来なかった磁気軸シフトのような現象が解析可能となる。また、摂動を入れた平衡解の時間発展を解析することで線形成長を見ることができるようになると思われる。
また、トカマクやステラレ-タ等の炉心プラズマの非線形時間発展現象を解析する場合、任意の形状境界が可能な一般曲線座標系を用いるので従来の円筒座標系に比べて形状設定の自由度が大幅に増える。更にこれは磁気面座標で記述された平衡解をも自由に接続できるので将来の発展の可能性が大である。
なお、圧縮性プラズマ解析コ-ドの開発に際しても、磁気軸近傍の解析上同様の問題点があるため、上述の技法が開発せられた段階ではこの圧縮性プラズマ解析への応用が可能となろう。
円筒座標系等を用いた差分法での解法で軸中心を壁とみなすfixed boundary条件では、軸近傍の精度良い解析が要求される平衡に初期摂動を入れた場合や磁気軸が移動するモ-ドの解析の場合等は解くことが出来ないので軸まで問題を解けるように改良することはヘリカル系3次元シミュレ-ションでは重要である。
結局、円筒座標系から直交座標系へと中心付近を変更してやれば、これらの問題は解決されると思われる。であるから、領域分割法の技法を用いて中心部分は直交座標系で、その外側部分は一般化座標系での円筒座標系等で解析し両者を結合させればよい。その際の境界条件としてこの両者のメッシュ系を重ねて配置すればなんら問題は生じない。
以上のような構想で、平成2年度では、計算手法の検討および基礎方程式の一般曲線座標系への拡張について定式化を行い、そのコ-ドのプラズマ・シミュレ-ションへの適用の検討を中島が行い、プログラムのコ-ディングと領域分割法の技法を用いた2重化メッシュ系の導入適用を武本・中村が実施した。テストランを兼ねて初期条件として解析平衡解を接続して平衡維持のシミュレ-ションを行い良好な結果を得た。現在、この解析平衡解に初期摂動を重ね合わせ線形成長率を解析できればと考察している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 武本 行正,中島 徳嘉: "一般曲線座標系を用いた3次元非圧縮MHDコ-ド" 情報処理学会研究報告、数値解析30ー11(89ーNAー30). Vol.89,No.86. 1-4 (1989)

  • [文献書誌] 武本 行正,中島 徳嘉,城之内 忠正: "一般化座標を用いた3次元非圧縮MHD方程式の数値解法" 数値流体力学シンポジウム講演論文集(第3回),数値流体力学シンポジウム組識要. 3. 535-538 (1989)

  • [文献書誌] 武本 行正,中島 徳嘉,城之内 忠正: "一般化座標を用いた3次元非圧縮MHD方程式の数値解法" 四日市大学論集. 第3巻第1号. 169-178 (1990)

  • [文献書誌] 武本 行正,田中 雅史,中村 佳朗: "自由表面流れの数値解析" 計算力学シンポジウム講演報文集(第4回),日科技建. 4. 167-174 (1990)

  • [文献書誌] 武本 行正,田中 雅史,中村 佳朗: "一般化座標での自由境界問題の一解法について" 京都大学数理解析研究所数理科学講究録 自由境界問題の数値解析とその周辺(II). (1991)

  • [文献書誌] 阿部 芳彦,武本 行正 他: "新版数値計算ハンドブック(大野 豊・磯田 和男監修)、第4章偏微分方程式" オ-ム社, 1153 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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