研究概要 |
平成3年度は、基礎方程式の一般曲線座標系定式化に従ってプラズマ・シミュレ-ションへの適用の検討を中島が行い、プログラムのコ-ディングと領域分割法の技法を用いた2重化メッシュ系の導入適用を武本が実施した。テストランを兼ねて初期条件として解析平衡解を接続して平衡維持のシミュレ-ションを行い良好な結果を得た。現在、この解析平衡解に初期摂動を重ね合わせ線形成長率を解析しつつある。また、真空領域とプラズマとの間の自由境界については一般化座標での自由境界問題の数値解法はまだそう多くは提案されていないのでこれに対する処理方法を考察して具体的な適用手法を考慮・検討中である。とりあえず、電磁場を含まない通常の非圧縮性の流体コ-ドにおいて、一般化座標での自由境界問題の数値解法を考察した。自由表面流解析は、これまで流速・圧力場交互格子点配置のStaggered Grid系のMAC法や,それを簡易化したSOLAーSURF法,自由表面境界条件を厳密化したSUMMAC法,Volume of Fluidの概念を加えたSOLAーVOF法等の等間隔直交座標系のコ-ドが主流であった。しかしながら、この方法では実際の複雑な境界形状に対するのにはかなり無理があって自由な境界形状の可能な一般曲線座標を導入する必要がある。また、この方法でのNASAーVOF3Dコ-ドに東大の宮田らの提唱する曲線境界でnoーslip条件の可能な手法やFLOWー3Dコ-ドで用いられているFAVOR法を導入してある程度複雑な任意形状を直交座標系で済ます方向性も考えられる。一方、一般化座標での自由表面流解析コ-ドは自由境界を可動にした計算流体研の千葉らのNAGARE(自由表面流解析版)コ-ドと四日市大の武本らのkεGGQ2D/SURFコ-ド,東大造船のTUMMACの一般化座標版等が国内ではある。しかしいずれも流速・圧力場同一格子点配置のReguler Grid系のコ-ドであって境界条件は入れやすいが重力加速度が大の時のFluxの保存にやや難点がある。このように一様な外力場が存在する時、従来の流速と圧力の同一点格子配置法では非圧縮性が保存されず数値解法上物理的意味のある自由境界が得られなくなることがあるケ-スの演算では発生しており、この根本的な解決のための複雑ではあるが一般化座標での流速と圧力の交互格子配置法を採用すべきであると考える。ただこの格子点配置を採用すると、場変数の配置の複雑性からメトリック量や座標変換のヤコビアンを複数計算しておく必要があり、プログラム作成上困難さが伴うが手始めに2次元のキャビティ流れ問題に適用してみたところ従来のRegular Grid系コ-ドの結果や通常の直交座標系でのStaggered Grid系でのそれと対比して遜色のない結果が得られた。(未発表)
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