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1991 年度 実績報告書

関数型並行計算モデルに関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02680020
研究機関名古屋大学

研究代表者

坂部 俊樹  名古屋大学, 工学部, 助教授 (60111829)

研究分担者 結縁 祥治  名古屋大学, 工学部, 助手 (70230612)
酒井 正彦  名古屋大学, 工学部, 助手 (50215597)
直井 徹  岐阜大学, 工学部, 助教授 (10207699)
平田 富夫  名古屋大学, 工学部, 助教授 (10144205)
稲垣 康善  名古屋大学, 工学部, 教授 (10023079)
キーワード並行計算 / 関数型計算モデル / CCS / ブロ-ドキャスト / ナロ-イング / 並行プロセス / 項書換え系 / 動的項書換
研究概要

本研究では、並行計算モデルとしてのダイナミックナロ-イングシステム(DNS)について研究を行ない、以下の成果を得た。
(1)DNSの原型となる関数型計算モデルとして、ソフトウェアを代数的に記述でき、かつ、検証や再利用技術をも形式的に記述できることを目標とした動的項書換え計算(Dynamic Term Rewriting Calculus,DTRC)について研究を行なった。
まず、フレ-ムと呼ぶ特別な、しかし、ある程度一般性のある形の項に限って、書換えが合流するための十分条件を与えることができた。停止性についても、通常の項の上の整礎擬順序をDTRCの項上に拡張する方法を示すとともに、与えられた整礎擬順序で停止性が保証されるDTRCの項の2種類のクラスを示した。
(2)並行計算モデル化するための基礎研究として、CCSと同様な通信機械の他に、値を表現する体系として項書換え系を含み、また、値によって振舞いを切替える条件分岐の機構も備えた新しい体系を提案し、その意味論について検討した。
(3)また、並行計算にブロ-ドキャスト通信を組み込んだ並行プロセスの体系としてCCS+bを提案し、ブロ-ドキャスト通信を同報性および受信の非決定性という2つの性質で特徴付け、提案する体系CCS+bがその性質を持つことを示した。また、CCS+bの代数的な性質として、並行演算、選択演算の結合則と可換則、ならびに、展開則が成立することを示すことができた。
(4)書換え型の計算モデルに共通したオペレ-ションである木パタ-ンマッチングについて研究し、木パタ-ンマッチングの並列アルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、CREWーPRAM上で動作し、mn/logn個のプロセッサでO(logn)の時間で動作する。ここに、n,mはtとpのサイズである。この結果は、従来のRamesh等の結果の改善になっている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 結縁 祥治: "メッセ-ジ書換えによるCCSの値受渡しについて" 電子情報通信学会技術研究報告. COMP91ー9. 79-87 (1991)

  • [文献書誌] 馮 速: "動的項書換え計算モデルとその応用" 電子情報通信学会技術研究報告. COMP91ー47. 31-40 (1991)

  • [文献書誌] 今井 裕二: "ブロ-ドキャスト型通信機構を追加したCCS" 電子情報通信学会技術研究報告. COMP91ー49. 51-57 (1991)

  • [文献書誌] 結縁 祥治: "通信プロセスにおける値による条件分岐機構について" 電子情報通信学会技術研究報告. COMP91ー69. 91-69 (1991)

  • [文献書誌] 酒井 正彦: "代数的仕様の検証のための被覆集合帰納法" 電子情報通信学会論文誌.

  • [文献書誌] 太郎良 浩次: "木パタ-ンマッチングのための並列アルゴリズム" 電子情報通信学会論文誌.

  • [文献書誌] Y.Ohno(Ed.),山本 隆洋(分担執筆): "Distributed Environments" SpringerーVerlag, 322 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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