研究概要 |
研究代表者が開発した超高感度マルチセンサ-を適用して体表面電位図を作成し,心臓電気現象を解析した。この結果,生体信号の高速情報処理に本装置が有効である事が判明した。さらに高速情報処理を行うためにマルチプロセッサによる並列処理装置を開発し,高速表示と高速処理のアルゴリズムによるソフトウェアも開発した。特に,高速画像表示に必要な補間法を開発し、その集積回路化も実現されたので,さらに高速の処理が可能になった。従って,生体と画像のダイナミックな動きに着目して生体の情報処理のメカニズムの解明に必要な手法が明らかになった。画像を入力し,これを解析するためのソフトウェアも作成した。画像デ-タは大容量であるので,これを高速に処理するためには並列処理方式が必要である。本研究では超並列処理の効果的方式としてニュ-ロネットワ-クを用いる事を検討した。ニュ-ロネットワ-クのシミュレ-ションの結果、ス-パコンピュ-タの性能に近い高速性が得られることが明らかになった。実際にこの装置を実現するには,ハ-ドウェアを作成する必要がある。脳の細胞の動作に類似する人工的ニュ-ロン間を結合する技術が未知であったが,研究代表者が提案する電磁結合によるシナップス結合を実現した。この結果は新聞,雑誌で報道され、外国にも情報が伝送されアメリカ,ソ連からも問い合せが寄せられている。このニュ-ロネットワ-クをさらに大規模化して生体信号の高速情報処理に適用すると,人間と機械のコミュニケ-ションに有効である。この基礎的研究として声帯から発生する生体信号をセンサ-で採取し,フィルタ-と前処理部を介してニュ-ロネットワ-クで認識,理解等の高速情報処理を行う。シミュレ-ションの結果として生体の情報処理機能のメカニズムを応用して高速の並列情報処理装置を実現することは有効であることが明らかになったので,ハ-ドウェアも含めて実現したい。
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