研究課題/領域番号 |
02680036
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
松田 幸久 秋田大学, 医学部, 助教授 (50157327)
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研究分担者 |
信永 利馬 東北大学, 医学部, 教授 (90004754)
増田 弘毅 秋田大学, 医学部, 教授 (60103462)
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キーワード | 大型ウサギ / 日本白色種 / 実験動物 / 動物実験 / 代替動物 |
研究概要 |
野外調査の一環として、仙北地方を訪れ、今年度その地方に飼育されている6.0〜8.0Kgのウサギの月齢を調べた。雄(n=30)では10.20(±4.30)カ月齢であり、雌(n=31)では9.26(±2.34)カ月齢であった。 体重増加率を調べるために、大型ウサギの子を生後2カ月齢より施設および農家で飼育したが、施設で飼育した群のうち雄1匹と雌2匹および農家で飼育した群の雌雄各1匹が生後7カ月齢以後に死亡した。施設で飼育した群の12カ月齢での体重は雄(n=4)が5.20(±0.29)Kg、雌(n=3)が5.30(±0.20)Kgであった。 血液性状および血清の生化学性状を調べるために12カ月齢まで施設で飼育したウサギの赤血球、白血球、ヘマトクリットおよび血清中のGOT、GPT、コレステロール、総蛋白等を測定したが、それらの値は平成2年度に農家より購入し調べた12カ月齢のウサギの値とほぼ同様であった。 平成2年度に農家より購入した12カ月齢のウサギの血清を用いて、Pasteurella multocida(PM)およびBorudetella bronchiseptica(BB)に対する抗体保有状況を調べたが、雌雄ともPMに対して46.2%(6/13)、BBに対して84.6%(11/13)と高い陽性率であった。農家および施設で飼育したウサギの一部にもこれらの感染によるスナッフルがみうけられ、また耳疥癬およびCoccidiumの感染も認められた。 PMおよびBBによる高度の汚染のため実験動物としての使用が困難であり、従来イヌで行われている実験への代替使用はまだ行われていない。 子宮切断術による無菌胎児の摘出および里親方式により、大型ウサギのSPF化を試みたが、里親による授乳の失敗により、いまだ満足のいく結果を得ていない。最終的にはSPF大型ウサギを作出する予定であるが、さしあたりPM、Coccidiumおよび耳疥癬フリーの大型ウサギを作出するために現在研究を続行中である。
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