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1991 年度 実績報告書

立体構造解明のための種々のレクチンの結晶化

研究課題

研究課題/領域番号 02680047
研究機関大阪大学

研究代表者

松浦 良樹  大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (90029968)

研究分担者 勝部 幸輝  大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (20032013)
キーワードエノキタケレクチン / X線結晶解析 / ベ-タバレル構造 / 免疫グロブリンフォ-ルド
研究概要

エノキタケレクチン(FVA)の精密構造解析を分解能2AでプログラムXPLORとPROLSQを用いて行った結果R値18.7%を得た。その構造を図1に示す。FVAは主として7本のベ-タシ-トからなる逆平行バレル構造からなることがわかった。さらに、ベ-タバレルのアミノ末端側には3タ-ンのアルファヘリックスと、それに続く結晶内で隣あう分子間のベ-タシ-トが付加されている。FVAのベ-タバレルは、アミノ末端から1、2、5番目の3本のベ-タシ-トと、3、4、6、7番目の4的のベ-タシ-トの2つのシ-トに分けられる。このベ-タバレルの主鎖の折れたたみの様子は免疫グロブリンの1つのドメインと類似している。7本鎖のベ-タバレルは免疫グロブリンのCドメインと同一であり、4番目のベ-タ鎖が3番目のベ-タ鎖と水素結合するのはVドメインと同一である。ベ-タバレル内には疎水性残基が多く見られ、2量体を形成するドメイン間には中性残基が多くみられる。また、結晶の非対称単位内の独立な2分子は、この結晶において2本の非結晶学的2回軸により関係づけられる。そこで2通りの2量体形成が考えられる。1つはアミノ末端側の分子間のベ-タシ-トによってで、もうひとつはベ-タバレル内の3本鎖のベ-タシ-ト面による接触である。特に後者の2量体の形成の様式は、一般に免疫グロブリンの2量体形成に見られる様式と類似している。このように、FVAは今まで構造の得られているレクチンとは異なる構造をもち、免疫グロブリンとの耕造的な類似が見られる。これはFVAと免疫グロブリンの間のなんらかの関連性を示すものであろう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 山本,北川,松浦,勝部: "エノキタケ由来のレクチンの結晶構造解析" 日本結晶学会講演要旨集. OA2 (1989)

  • [文献書誌] 山本,松浦,北川,伊藤,勝部: "エノキタケレクチンの結晶構造解析と抗体との構造比較" 生化学. 62. O867 (1990)

  • [文献書誌] 山本 雅貴: "A New Approach to Protein Structure Determination by Xーray Diffraction Methods:Structure Analysis of Flammulina Veltipes Agglutinin" Doctoral Thesis (Osaka University). (1991)

  • [文献書誌] 山本 雅貴: "エノキタケレクチンの結晶構造解析" 蛋白質工学基礎研究センタ-だより. 12. 33-39 (1991)

  • [文献書誌] 山本,北川,松浦,勝部: "The Three Dimensional Structure of F.veltipes Agglutinin" J.Biol.Chem.(1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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