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1990 年度 実績報告書

調理における調味機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 02680053
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

島田 淳子  お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (60017233)

研究分担者 谷澤 容子  お茶の水女子大学, 家政学部, 助手 (30227227)
キーワード拡散Diffusion / 拡散係数Diffusion Coefficieut / 調味料seasoning
研究概要

実際の調味操作に則した系として、三次元拡散を取り上げ、三次元拡散における拡散係数の特徴を明らかにすることを試みた。
三次元拡散の系として、2%寒天ゲルを、一辺の長さ(2L)が1cm〜10cmの立方体に成形し、0.1M(C_1)食塩水溶液に0〜75時間(t)浸漬した後、立方体中の食塩平均濃度(C^^ー(t))を経時的に測定した。直交座標系における拡散方程式の解に実測値C^^ー(t)/C_1(=Cr)とt/L^2を代入し、実測値に合う計算値を与える拡散係数を算出した結果、D=0.97×10^<ー5>cm^2/sを得た。さらに、拡散過程終盤における実測値には計算値との間にズレが見られ、もはや拡散過程終盤においては、食塩の移動が拡散に依っていないことが示唆された。そこで、拡散過程終盤においては、Crとt/L^2の関係を局所的に解析し、拡散係数を見かけの拡散係数として算出した。その結果、見かけの拡散係数はCr=0.85以降で急激に減少することが認められた。一方、半無限固体に成形した2%寒天ゲル中の食塩の一次元拡散における拡散係数はD=1.12×10^<ー5>cm^2/sであった。以上の結果より、三次元拡散における拡散係数について
(1)理論的には同値と考えられる一次元拡散における値に比べ、小さな値として算出された.すなわち、三次元拡散における物質の移動は、一次元拡散における場合よりも遅い.
(2)拡散過程終盤において急激に減少し、見かけの拡散係数として算出される.すなわち、拡散過程終盤においては物質の移動がほとんど生じなくなる.
という二つの特徴が見いだされた。本研究で得られた三次元拡散における二つの特徴は、‘味付けには時間がかかる'、‘翌日まで置いておいたら味がしみておいしくなった'などとこれまで言われてきた調理上の認識を裏づけるデ-タを示すものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sachiko ODAKE,Keiko HATAE,Atsuko SHIMAMA,Sadaaki IIBUCHI: "Apparent Diffusion Coefficient of Sodium chloride in Cubical Agar gel." Agricaltural and Biological Chemistry. 54. 2811-2817 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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