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1991 年度 実績報告書

酵母の冷凍障害と冷凍耐性桟構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02680063
研究機関奈良女子大学

研究代表者

河合 弘康  奈良女子大学, 家政学部, 教授 (80026525)

研究分担者 遠藤 金次  奈良女子大学, 家政学部, 教授 (20031643)
キーワード冷凍耐性酵母 / 冷凍耐性桟構 / 凍結障害 / ピュ-ロチオニン
研究概要

小麦粉に存在する抗酵母タンパク質ピュ-ロチオニンが酵母の冷凍耐性に及ぼす影響を検討した。冷凍感受性の異なる2種類の酵母をピュ-ロチオニン存在下で冷結すると,融解後の発酵力および細胞内物質の漏洩速度に顕著な差異が認められた。すなわち,冷凍感受性酵母では凍結融解後の発酵力,細胞内物質の漏洩速度ともにピュ-ロチオニン濃度の増加につれて増大したが,冷凍耐性酵母ではその影響は少なくピュ-ロチオニンによる障害をうけにくい性質をもつことが明らかとなった。酵母の細胞内物質の漏洩は,細胞膜の損傷と関連するので,細胞膜リン脂質分解活性(ホスホリパ-ゼ活性)に及ぼすピュ-ロチオニンの影響を調べた。その結果,冷凍感受性の異なる両酵母のホスホリパ-ゼ活性はいずれもpH3〜4で最大となり,細胞内物質の漏洩を促進するpHとほぼ一致した。さらに,冷凍感受性酵母の膜画分が示す酵素活性はピュ-ロチオニンによって著しい活性化をうけるのに対し,冷凍耐性酵母の酵素活性はほとんどその影響をうけないことを見出した。冷凍感受性酵母ホスホリパ-ゼ活性化現象は,冷凍耐性酵母から得た膜画分の添加によって抑制される事実から,両酵母菌の細胞膜リン脂質組成の相違がピュ-ロチオニンによるホスホリパ-ゼの活性化に関係していると推定された。両菌の膜リン脂質組成を比較した結果,ホスファチジルイノシト-ルおよびホスファチジルセリンの含有割合に有意の差が認められており,これらの成分量の違いがピュ-ロチオニンによるホスホリパ-ゼの活性化の関与しているものと推論した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.S.Hahn: "Screening of FreezeーTolorant yeasts and Theer Bread Dough Fermentative Properties" Journal of Home Economics,Japan. 41. 115-121 (1990)

  • [文献書誌] Y.S.Hahn: "Isolation and Choracterization of FreezeーTolerant geasts from Nature Available for the FrozenーDough Method" Agrieultural and Biological Chemistry. 54. 829-831 (1990)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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