本研究は、拘束感の立場から着心地の評価法を確立するため、被服圧計測用ダミ-の試作を目的とするものであり、平成3年度においては、平成2年度に続いて被服圧測定方法の再検討とともに、紳士用ス-ツ上衣を用いて、被験者に対する着用実験(主観的着用感と被服圧測定)とダミ-上での被服圧測定を実施し、統計的手法を用いてダミ-の有用性を検討し以下のことが明らかとなった。 1.エア-バックの流体圧変化をシリコンチュ-ブで連結した半導体圧力ヤンサで測定する新しい被服圧測定方法においては、理論計算値に対する実測値の適合性が高く、被服圧計測用ダミ-に取付ける圧力センサとしての使用性が高い。 2.紳士用ス-ツ上衣数種類を用いた着用実験から、圧迫感からの着心地の主観的評価と各部位の被服圧との相関分析を行い、着心地評価のための被服圧測定部位が明らかになった。 3.被験者に紳士用ス-ツ上衣を着用させた場合の被服正発生部位とダミ-に着用させ測定した場合の被服左発生部位が、静立位は比較的一致したものの、前挙90゚位において必らずしも一致しなかったことから、今後は、ダミ-の構造を改良し、より有用性のある被服圧計測用ダミ-について検討を進める予定である。
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