研究課題/領域番号 |
02680069
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
戸崎 充男 京都府立大学, 生活科学部, 助手 (70207570)
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研究分担者 |
三村 泰一郎 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (50046421)
春山 洋一 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (00173097)
青木 敦 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (90046417)
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キーワード | 浮遊粉麈 / 炭酸ガス / 換気量 / 拡散成分 / 流れ成分 / 同時測定 / 遮断効果 / バッファ空間 |
研究概要 |
住宅に於ける自然換気の機構と住宅内浮遊粉麈の挙動及びその濃度との相関関係を明らかにするために次の様な実験を行った。 自然換気量の測定は、木造瓦ぶき二階建て住宅の隣接する三部屋について、炭酸ガス濃度の時間変化を測定して求めた。特に、隣接する部屋の換気の相互作用を観測するため三部屋の同時測定を行った。炭酸ガスをトレ-サ-として用いる際に、圧力変動を伴わないガス源を開発し、また長時間連続測定(10秒平均値、約10時間測定)をすることで、濃度変化を詳細に調べることができた。 住宅内外の浮遊粉麈測定は、ロ-ボリュ-ム・エアサンプラ-を用いて、住宅外及び換気量測定の各部屋について同時測定した。ミリポアフィルタ上に集麈されたものをマイクロ天秤で秤量し質量で粉麈濃度を評価した。 これら測定期間中に渡り、風向、風速及び温度の気象条件も併せて測定した。 炭酸ガス測定の結果より、各部屋の濃度変化は連立微分方程式で表され、これを解くことで、各部屋の換気量(回/時間)を算出することができる。隣接する部屋の相互の換気量を評価すると、拡散成分だけでなく流れの成分を考慮にいれた換気モデルで、実験結果がよく理解できることが分かった。特に、この流れ成分は住宅中を流れる風によるのもとみなせ、各部屋の同時測定をすることでこの成分をはじめて定量的な換気量として評価することができた。 採取した大気浮遊粉麈の室内質量濃度は、室外に比べ0.3〜0.4程度であった。この結果は、住宅の持つ遮断効果としてこれまで我々が得ている結果と一致している。部屋間の粉麈濃度に有為な差が認められ、流れの風上の方が風下より濃度が高いことが明らかにされた。これは、風向きとの関係で隣室がバッファ空間として作用するためであり、今回はじめて観測することができた。
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