研究課題/領域番号 |
02680070
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中根 芳一 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00047002)
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研究分担者 |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70137181)
永村 一雄 大阪市立大学, 生活科学部, 常勤講師 (60138972)
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キーワード | 結露 / パタ-ンステイング / 高気密 / 暖房 / 生活に伴う水蒸気の発生 |
研究概要 |
梅雨期に行った予備実験結果をふまえ、結露の発生し易い気密性の高い防音住宅を対象として冬期に生活実態を反映させた暖房条件を設定し、結露発生の要因となり得る換気方法、暖房機の種類などの影響の程度を調べる実験を行った。又、一般集合住宅についても同様の実験を行い、両者を比較して結露対策を究明する。 更に実験室に於て、生活に伴い暖房器、炊事、洗濯物等から発生する水蒸気量について求める実験を行った。 結露現象は主に梅雨期及び冬期にしか発生しないため、冬期実験が終了したばかりで、まだ充分分析出来ていないが、現在まで得られた知見の概要を以下の述べる。 (1)換気実験の結果から防音住宅の平均換気回数は0.6回/時、一般集合住宅の平均換気回数は1.1回/時と防音住宅の気密性が高く、同じ断熱性能では結露現象を起し易いことが明らかとなった。 (2)全熱交換型換気扇を使用すると、防音住宅の換気量も平均3.6回/時と、用いないときの約6倍に増加し、結露の恐れが著るしく減少する。 (3)防音住宅程度の気密性を持つ住宅の場合、開放型の暖房器を使用すると結露する可能性が指摘されるが、水蒸気発生のないヒ-トポンプ暖房では結露を生じない結果が得られ、結露の発生が生活の仕方に著るしく依存しているといえる。 (4)開放型のスト-ブを使用しても、同時に全熱交換型換気扇を作動させて水蒸気を十分排出できる換気量を確保すれば結露は認められない。 (5)暖房以外にも、炊事、入浴、洗濯物の乾燥などで大量の水蒸気の発生が認められ、顕熱交換型換気扇の有効活用が望ましいと言える。
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