研究課題/領域番号 |
02680082
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研究機関 | 岐阜市立女子短期大学 |
研究代表者 |
小瀬 洋喜 岐阜市立女子短期大学, 学長 (50082954)
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研究分担者 |
船坂 鐐三 (財)岐阜県公衆衛生検査センター, 理化学部長
森 基子 岐阜市立女子短期大学, 食物栄養学科, 教授 (60070900)
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キーワード | 水質汚濁 / 生物化学的酸素要求負荷 / 調理食品廃棄物 / BOD原単位表 |
研究概要 |
水質保全のために、各家庭レベルでの有効な生活排水対策、特に調理排水および調理廃棄物対策への実践的な方法を確立することを目的に一連の研究に取り組んだ。すなわち、多様な調理食品の廃棄物による水質汚濁への影響の評価法が確立されていないので、平成2年度には、日常使用頻度の高い食品ならびに調理食品、計132品目について、BOD、四塩化炭素抽出量、強熱減量、水分含量を測定した。これら調理廃棄物が水質汚濁におよぼす影響を、BOD負荷量として推定する資料の基礎的数値となるBOD原単位表を作成した。 平成3年度以降、本学食物栄養学科学生の調理実習における和風・洋風・中華風の20献立を通しての、調理廃棄物調査を行なった。排水口厨芥受けにストッキング被覆、無被覆の両者により調理廃棄物を分別回収し、一定条件で付着水分を除去後、食品毎に分類し重量測定した。BOD原単位表を用い、献立原材料のBOD並びに調理廃棄物として回収した厨芥量中のBODを算出し、捕捉BOD率とした。同一献立で4回実測した結果、平均捕捉率は8.2%であった。尤も献立内容により油脂分の多い食品から、BOD負荷への影響の少ない蔬菜類まで、使用食品が異なるため、捕捉率には幅が生じ最高は24.38%であった。 平成2年度に本研究費で購入した電子式水分計で水分含量を、平成3年度の購入したパソコンにより、BOD原単位表からの水質汚濁におよぼす調理原材料のBOD負荷量、回収方式を異にした調理廃棄物の捕捉BOD率の算出を行なった。 以上、台所におけるきめ細やかな厨芥ならびに調理廃棄物回収は、生活排水の汚濁負荷軽減に寄与することを確認した。これらの成果の一端は、平成3年2月〈社〉日本家政学会消費者問題常置委員会公開講座、「環境をまもるための家政学からの提言」(於東京都)、および平成4年2月、消費者講習会(於岡山市)で発表した。また、詳細は『家政学と消費者問題 '91』第6号P7〜23(1991年5月)に「調理廃棄物の実態と生活排水対策」として掲載した。
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