研究概要 |
本年度は次の2点について研究を行った。 1.保育園児を対象として食餌アレルギ-の実態調査を行った。 名古屋市内及び周辺都市の保育園児1,514人を対象として、食餌性アレルギ-の有無、原因食品、母親の食生活等を調査した。食餌性アレルギ-児の割合は152人(10.0%)、発症時期は0歳(40.6%)が、また女子より男子に多く、原因食品の第1位は卵類(56.7%)、次いで乳製品(38.8%)とこれらの食品が圧倒的に多かった。アレルギ-の有無に係わらず離乳食、離乳の時期、授乳の違い等に顕著な差は認められなかった。子供が食餌性アレルギ-である場合には家族にアレルギ-体質が顕著に高く(50%)、母親の妊娠中の食の好みも強かった。更に、地域差(名古屋市内に方が周辺都市より高い)が認められた(平成2年度家政学会総会にて発表)。 2.モノクロ-ン抗体を用いたAーC反応タンパク質の検出 乳糖ーオボアルブミンのアミノ-カルボニル(AーC)反応物で免疫したBALB/Cマウスの脾細胞をマウスミエロ-マ細胞(P3XAg 8.653)と融合し、乳糖ータンパク質のAーC反応物に対し特異的なモノクロ-ン抗体(L1,2)を産生するハイブリド-マを得た。一方、乳糖とラクトグロブリンの凍結乾燥混合物を50C,65%の相対湿度のもとで貯蔵してAーC反応の各段階生成物を調製した。アミノ基の減少度をfluorescaminを用いた蛍光法で測定してAーC反応の進行を確認すると共に、アミノ酸分析から初期段階生成物であることを確認した。この乳糖ーラクトグロブリンのAーC反応物のモノクロ-ン抗体(L1,2)との反応生をELISA法でマイクロプレ-トリ-ダ-を用いて測定した。この乳糖ーラクトグロブリンのAーC反応生成物を基準として用い、市販乳児用調製粉乳を8種類を購入してモノクロ-ン抗体L1,2との反応性をELISA法でマイクロプレ-トリ-ダ-を用いて現在検討中である。
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